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島精機製作所、2022年3月期 連結決算
主力の横編機が復調し増収、損失幅が縮小

update: 2022/05/11

島精機製作所、島三博 代表取締役社長

島精機製作所、島三博 代表取締役社長

島精機製作所の2022年3月期連結決算は、主力の「横編機」の売り上げが復調したこともあり、2ケタの増収を達成した。損益面では、損失幅が縮小した。収益性に加えて、効率性も回復してきた。

「ホールガーメント®」の販売台数が増加

島精機製作所、2022年3月期 財務数値一覧(表1)

島精機製作所、2022年3月期 財務数値一覧(表1)

連結の売上高は309億9,800万円(26.6%増)と2ケタの増収だった。売上総利益率(粗利率)は32.9%(8.6ポイント増)と回復したが、販管費率が上回ったため、営業損失42億9,600万円(前期は91億4,300万円の営業損失)を計上するに至った(表1を参照)。しかし前期に比べると、損失の額は縮小している。

同様に経常段階では、経常損失34億円(前期は72億7,300万円の経常損失)。当期純損失は35億8,900万円(前期は178億6,600万円の当期純損失)だった。前期の減損損失102億円の計上がなくなったため、大幅に損失幅が縮小した。

島精機製作所、2022年3月期 事業別売上高(表2)

島精機製作所、2022年3月期 事業別売上高(表2)


事業別のセグメント売上高は、主力の「横編機」が206億9,200万円(33.1%増)と回復した。Chinaの「ホールガーメント®」やイタリアなどの高級ブランドの健闘が後押ししたようだ。差別化の一環で強化を進めている「デザインシステム関連」は28億6,900万円(14.4%増)。「手袋靴下編機」は24億4,600万円(24.2%増)と復調した(表2を参照)。

期末の「横編機」の販売台数(連結ベース)は4,363台(342減)。うち、「ホールガーメント®」は920台(156増)と好調に推移した。地域別の売上高は、「アジア」を除いた全地域で増収を達成した。

通期は増収、黒字回復の計画

昨年の10月以降、部材の入手が困難な状況が続いている。現在も100品目以上の供給不足が継続している状態だ。工場の操業を安定させるため、仕入先との信頼強化を進めて供給力を強化しようと取り組んでいる。今後のアパレルビジネスの見通しについて島正博 代表取締役社長は「大量生産型のビジネスは減らないと思うが、確実に売れる商品を企画する体制へ移行していくだろう。生産の前段階の提案精度をいかに高められるかが肝だ」と語った。

財務状態は引き続き盤石の状態。借入金はゼロで、手元流動性資金も潤沢。投資の元手に不足はない。自己資本比率が増加したが、これは総資産の減少幅が大きかったことによるもの。トップライン=売り上げの回復が収益性の向上には不可欠だ。

通期の業績予想は連結売上高が470億円(51.6%増)、営業利益10億円、経常利益16億円。増収、4期ぶりの黒字確保を計画している。中期計画の数値目標(2023年度に売上高540億円、営業利益20億円、経常利益25億円)は、ロシア紛争や上海のロックダウン、物流の停滞など複数の不透明要素を抱えている状況のため、現時点では据え置いている。                                    

(樋口尚平)

島精機製作所、2022年3月期 連結決算 主力の横編機が復調し増収、損失幅が縮小

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