INDITEX、2024年1月期 連結決算
主力の「ZARA」業態がけん引役に、2ケタの増収増益を達成

update: 2024/03/18

INDITEXの2024年1月期は2ケタの増収増益に。
全ブランドでプラス成長を果たした
（画像は説明資料から抜粋）

「ザラ」や「ベルシュカ」などカジュアルアパレルのSPA業態を展開するINDITEX（インディテックス）社の2024年1月期連結決算は、主力の「ZARA」業態がけん引し、2ケタの増収増益を達成した。全ブランドでプラス成長を果たした。利益率も10％半ば以上を維持しており、高収益体質が続いている。

高収益性を持続、全ブランドでプラス成長を果たす

INDITEX、2024年1月期
財務数値一覧（表1）

連結の売上収益は、359億4,700万ユーロ（約5兆6,796億2,600万円、1ユーロ＝158円で換算）、10.4％増と2ケタの増収となった。主力業態の「Zara」（ザラ）がけん引役となった。売上総利益率（粗利率）は57.8％（0.8ポイント増）と改善。販管費率のコントロールもうまく行き、営業利益（EBIT）は68億900万ユーロ（約1兆758億2,200万円、同）、23.4％増と増益を達成した。

税引前利益は68億7,000万ユーロ（約1兆854億6,000万円、同）、28.2％増と2ケタの増益だった。当期純利益も53億8,100万ユーロ（約8,501億9,800万円、同）、30.3％増と増益を達成した（表1を参照）。

INDITEX、2024年1月期
業態別売上収益（表2）

業態別の売り上げでは、主力の「Zara」（ザラ）が260億5,000万ユーロ（約4兆1,159億円、同）、9.6％増と堅調な推移だった。税引前利益（PBT）は50億400万ユーロ（約7,906億3,200万円、同）、25.0％増で、収益に大きく貢献した。

そのほか全ての業態で増収となった。「Stradivarius」（ストラディヴァリウス）は23億3,400万ユーロ（約3,687億7,200万円、同）、13.5％増。PBTも41.1％増と大きく伸ばした。「Bershka」（ベルシュカ）も26億2,100万ユーロ（約4,141億1,800万円、同）、9.9％増と底堅い推移だった。（表2を参照）。

　期末の店舗数は5,692店（123減）。「Zara」は1,811店（74減）、「Zara Home」が410店（17減）。「Bershka」が856店（4減）、「Stradivarius」が841店（8減）と減少した。リアル店舗が減少している。さらに店舗数が減少したが、売上規模は拡大している。店頭売りに加えEC＝オンラインの売り上げもが91億ユーロ（約1兆4,378億円、同）、16.7％増と順調に成長した。

　財務面の当面の懸念材料は見当たらない商品回転率が4.9と改善し、交差比率が好転しした。流動性指標も安定した数値。D/Eレシオは無視してもいい水準にある。2024年のスタートも順調のようだ。3月半ばまでの推移は、前年同期比11％増。