H&M Group、2023年11月期 連結決算──
収益性が改善、増収増益を達成
update: 2024/02/05
「H&M」などSPA業態の小売店を展開するH&M(Hennes & Maurits=ヘネス&マウリッツ)Group(H&Mグループ)の2023年11月期の連結決算は収益性が改善し、増収増益を達成した。西欧、米州がけん引役になったほか、オンラインの売り上げも30%前後にまで拡大している。リアル店舗数は引き続き減少している。
西欧、米州がけん引役に、実店舗は引き続き減少
売上総利益率(粗利率)は51.2%(0.5ポイント増)と改善。販管費率が45.5%(1.9ポイント減)と減少したこともあり、営業利益が145億3,700万スウェーデンクローナ(約2,035億1,800万円、同)、102.8%増と大きく回復した。
同様に金融項目控除利益も、130億1,000万スウェーデンクローナ(約1,821億4,000万円、同)、109.3%増と増益を達成した。当期純利益は、87億2,300万スウェーデンクローナ(約1,221億2,200万円、同)、144.6%増と改善した(表1を参照)。
地域別の売上収益では、連結の売上収益は、2,360億3,500万スウェーデンクローナ(約3兆3,044億9,000万円、1スウェーデンクローナ=14円で換算)、5.6%増と増収を達成した。主力の「Western Europe」(西欧)が790億4,900万スウェーデンクローナ(約1兆1,066億8,600万円、同)、10.6%増と2ケタの増収を達成した。「North and South America」(米州)も537億8,500万スウェーデンクローナ(約7,529億9,000万円、同)、5.5%増と前年度に引き続き好調な推移だった。日本を含む「Asia and Oceania &Africa」(アジア・オセアニア及びアフリカ)は310億7,500万スウェーデンクローナ(約4,350億5,000万円、同)、2.3%増だった(表2を参照)。
期末の総店舗数は4,369店(96減)で、前年度に引き続いて減少した。主力業態の「H&M」が3,872店(75減)。「COS」は245店(14減)、「Monki」も64店(14減)と引き続き減少した。一方、「ARKET」が30店(5増)と増加。「H&M HOME」も33店(2増)と増えている。
財務面は、流動性指標のD/Eレシオが悪化した。自己資本比率が低下している。効率性指標は改善。棚卸在庫は削減された。粗利率の改善等で交差比率が上振れした。
(樋口尚平)