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主要上場インナー企業2社、2023年3月期 第2四半期まとめ
両社共に増収を達成

update: 2022/11/14

グンゼはフェムテックなどの 新製品が健闘した

グンゼはフェムテックなどの
新製品が健闘した

主要な上場インナー企業2社――ワコールホールディングス(ワコールHD)とグンゼの2023年3月期第2四半期(4-9月)連結決算をまとめた。両社共に増収を達成した。利益面ではワコールHDが税引前利益で増益。グンゼは円安やコスト増の影響で減益に至った。

ワコールHD、国内のワコール事業が増収

主要上場インナー企業2社、2023年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

主要上場インナー企業2社、2023年3月期
第2四半期 財務数値一覧(表1)

対象としたのはワコールHD、グンゼの2社でいずれも2023年3月期第2四半期(4-9月)だ。ワコールHDは今期から、会計基準を国際会計基準(IFRS)に変更している。そのため一部の前年同期比がない。変更前の米国会計基準の前年同期比実績を列挙しているので参考にされたい(表1を参照)。

ワコールHDの第2四半期は2ケタの増収、税引前利益が増益となった。連結売上収益は975億600万円(13.0%増)。営業利益は40億100万円(13.3%減)だった。税引前利益が58億8,100万円(8.0%増)と増益となった。持分法による投資益が増益に貢献した。7-9月の第2四半期は、ワコールの実店舗への顧客回帰がまだ弱く、計画を下回る推移だったが、国内は増益となった。中国や米国市場も苦戦傾向だった。欧州やその他のアジアは堅調な推移だった。

利益面では、ワコールにおける構造改革による効率化が進んだ点も増益につながったようだ。国内のワコール事業は488億6,500万円(13.8%増)で2ケタ増となった。既存会員の売り上げが堅調だった。ベトナム工場の生産効率の低下が影響し、主力ブランドの一部商品に納期遅延が発生した。

グンゼ、アパレル事業は増収減益

主要上場インナー企業2社、2023年3月期 第2四半期 セグメント別売上高(表2)

主要上場インナー企業2社、2023年3月期
第2四半期 セグメント別売上高(表2)

グンゼの第2四半期は増収減益。「アパレル」事業は売上高300億8,200万円(9.6%増)と増収を達成したが、営業利益は1億9,000万円(75.1%減)と大幅な減益に至った。店頭売上は順調に回復したが、急速な円安や原材料の高騰がマイナス要因となり、利益を削る結果となった。

アパレル事業の売り上げの内訳は、「レッグ」が66億円(18%増)、「インナー」が178億円(8%増)。合計は245億円(11%増)。EC売上比率は16%(2ポイント増)と堅調に増加している。直営店は21店。今期末までに3店増え、計24店になる計画だ。

今後も直営など新規チャネルの開拓に力を入れる。コスト増により、利益の確保が難しい商況が続いている。今秋から一部のインナー商材で10-15%の値上げを実施しているほか、来春からはレッグでも20%程度の値上げを実施する予定だ。                                   

(樋口尚平)

主要上場インナー企業2社、2023年3月期 第2四半期まとめ 両社共に増収を達成

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