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ファーストリテイリング、2022年8月期 連結決算
増収増益を達成、過去最高の収益を達成

update: 2022/10/17

ファーストリテイリングの2022年8月期連結決算は増収増益に。 過去最高収益を更新

ファーストリテイリングの2022年8月期連結決算は増収増益に。
過去最高収益を更新

ファーストリテイリングの2022年8月期連結決算は、「海外ユニクロ事業」が好調だったこともあり、増収増益を達成した。欧米事業が黒字化した。「国内ユニクロ事業」もほぼ前年並みの水準で健闘した。為替の影響を除いても、過去最高の収益となった。財務状況も安定しており、当面の不安材料はない。

「海外ユニクロ事業」がけん引役に

ファーストリテイリング、2022年8月期 財務数値一覧(表1)

ファーストリテイリング、2022年8月期 財務数値一覧(表1)

連結の売上収益は2兆3,011億2,200万円(7.9%増)と堅調な推移。売上総利益率(粗利率)は52.4%(2.1ポイント増)と改善した。販管費率も微増したが、粗利率の増加が上回り、営業利益は2,973億2,500万円(19.4%増)と2ケタの増益で、過去最高益を達成した。同様に、税引前利益は為替差益の発生と受取利息の増加により、4,135億8,400万円(55.6%増)と増益になった(表1を参照)。

主力の「ユニクロ事業」では、国内が売上収益8,102億円(3.8%減)とやや減少したが、営業利益は1,240億円(0.6%増)とほぼ前年並みを確保した。「海外ユニクロ事業」は売上収益が1兆1,187億円(20.3%増)とけん引役になった。営業利益は1,583億円(42.4%増)で増益となった。地域別では、コロナ禍で苦戦した「グレーターチャイナ」を除く全地域で増収増益となった。欧州地域が大幅な増収で、黒字化を達成した。

ファーストリテイリング、2022年8月期 グループ事業別(表2)

ファーストリテイリング、2022年8月期 グループ事業別(表2)


「ジーユー事業」の売上収益は2,460億円(1.4%減)とやや苦戦した。上期に売れ筋商品の欠品などが発生した影響で前年比を下回った。下期(3-8月)は商品企画の精度が改善され、収益性が改善した。営業利益は166億円(17.4%減)で減益となった。

「グローバルブランド事業」は売上収益が1,231億円(13.8%増)と好調な推移だった。「セオリー」では米国や日本市場で業績が回復した。「コントワー・デ・コトニエ」は増収を達成。赤字幅が大幅に縮小した。営業損益は7億円の営業損失に縮小した(前期は16億円の営業損失)。

欧州での展開を強化へ

今期は黒字化した欧州市場における展開を強化する。当期の売り上げが約1,300億円、営業利益が約150億円の実績を、5年後の2027年8月期には売上収益5,000億円、営業利益率20%を目指す。

欧州市場に適した商品企画、旗艦店舗の強化、Eコマース事業の拡充、現地人材の登用など、欧州市場に適応する施策が奏功している。今後も年間30店の新規出店を継続し、業容拡大に努める。

財務状態は安定している。手元流動性資金が潤沢で、当面の投資に問題はない。自己資本比率も49.1%と増加し、50%台をうかがう水準にまで迫ってきた。通期は引き続き2ケタの増収増益基調を計画している。売上収益2兆6,500億円(15.2%増)、営業利益3,500億円(17.7%増)、税引利益3,500億円(15.4%減)。為替の影響を除くと増益に至る見通しだ。                                    

(樋口尚平)

ファーストリテイリング、2022年8月期 連結決算 増収増益を達成、過去最高の収益を達成

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