グンゼ、2023年度 事業報告会
アパレル事業、ECやSPAなどDTCビジネスを強化
update: 2023/06/29
グンゼが6月27日、本社のある大阪市内で「2023年度 事業報告会」を開催した。今期(2024年3月期)──2023年度の事業方針について、主要事業の責任者が登壇し、メディア関係者に取り組みを説明した。アパレル事業では、EコマースやSPAなどDTCビジネスの強化、組織改編による商品企画の精度アップに取り組む。
今春に組織改編、商品トータル展開を拡充
この事業報告会は例年、本決算の開示が終了した後──6月頃をめどに開催されている。今期の主要な取り組み課題について、各事業の責任者がメディア向けに具体的な内容を説明する会見だ。
前期の2023年3月期のアパレル事業は、売上高609億8,600万円(6.6%増)、営業損失2億2,200万円(前期5億5,700万円の営業損失)だった。今期(2024年3月期)は売上高633億円(3.8%増)、営業利益14億円(前期2億2,200万円の営業損失)の数値目標を掲げている。店頭売りは回復基調にあるが、慢性的なコスト増が影響していることもあり、利益確保に至っていない(別表を参照)。
今後の大きな目標は、SPA(製造小売り)業態やEコマースなど「DTC」(Direct to customer)ビジネスの拡大だ。SPAは2024年度までに36店舗以上の店舗展開を図る。アパレル事業に占めるEC比率を来期までに22%に高める計画。アウトレットなど直営店の出店にも力を入れる。DTC全体では25%を目指す。
具体的な商品企画では、3つの強化ポイントを掲げる。1つ目は「コーディネート提案」で、主に「BODY WILD」(ボディワイルド)と「Tuche」(トゥシェ)ブランドで取り組み方針だ。販売が好調なボトムスのレギパンを軸にしたトップスやアウターの拡充を進めている。
2つ目は「ターゲットを明確にしたソリューション型商品」の提案。Tシャツ専用インナー「in.T」など、特定のニーズに対応した製品を強化する。同インナーは累計55万枚を販売するヒット商品になった。そのほか、「靴の中ですべらないタイツ」や「ズレないレギンス」など、ニーズを絞り込んだ機能性商品も強化している。年配層の失禁対策インナーとして吸水、消臭などの機能性を強化した商品も拡充する。
3つ目は「“衣療”・健康カテゴリーの拡大」だ。術後の敏感肌に適応した素材やパターンの「メディキュア」や、快眠をサポートする商品群──Tシャツやナイトキャップなどの「kaimin support」などが該当する。
(樋口尚平)