INDITEX社、2024年1月期 第2四半期 連結決算──主力ブランドの「Zara」がけん引、2ケタの増収増益を達成
update: 2023/09/19
「ザラ」や「ベルシュカ」などカジュアルウエアのSPA業態を手掛けるINDITEX(インディテックス)社の2024年1月期第2四半期(2-7月)の連結決算は、「Zara」を筆頭に全業態でプラス成長を果たし、2ケタの増収増益を達成した。リアル店舗およびオンライン共に好調な推移だった。主力の「Zara」がけん引役になった。
全業態で2ケタのプラス成長に
連結の売上収益は、168億5,100万ユーロ(約2兆6,287億5,600万円、1ユーロ=156円で換算)、13.5%増と2ケタの増収。売上総利益率(粗利率)は58.2%(0.3ポイント増)と微増した。販管費率が30.4%(0.3ポイント減)と抑えられたこともあり、営業利益(EBIT=税引前利払前利益)が31億6,400万ユーロ(約4,935億8,400万円、同)、30.2%増と2ケタの増益となった。
同じく、税引前利益も32億5,200万ユーロ(約5,073億1,200万円、同)、39.0%増と2ケタの増益を達成した。四半期利益も25億1,300万ユーロ(約3,920億2,800万円、同)、40.1%増と2ケタの増益に至った(表1を参照)。なお、EBITDA(税引前利払前減価償却前利益)は46億6,300万ユーロ(約7,274億2,800万円、同)、15.7%増となった。
業態別の売上収益では、主力の「Zara」(ザラ。Zara Homeを含む)が123億6,200万ユーロ(約1兆9,284億7,200万円、同)、13.1%増と2ケタの増収で、けん引役になった。「Bershka」(ベルシュカ)は11億8,400万ユーロ(約1,847億400万円、同)、12.3%増と2ケタの増収。「Stradivarius」(ストラディヴァリウス)も10億7,500万ユーロ(約1,677億円、同)、17.7%増と好調な推移だった(表2を参照)。
店舗数は前年同期から減少、効率性が向上
期末の店舗数は5,745店(625減)で、前年同期から減少している。オンライン販売の後押しもあり、各業態の売上収益が増加。売り上げの効率性が向上している。「Zara」は1,839店(161減)、「Zara Home」が420店(38減)。「Bershka」も855店(114減)と減少。「Stradivarius」も845店(75減)と店舗数が減少した。
財務面は安定している。商品回転率が4.3(0.6ポイント増)と改善。粗利率が微増したこともあり、交差比率は250.3と増加した。総資産も前年同期より増えている。当面の不安材料は見当たらない。第3四半期──秋冬商戦も同様に安定した売上推移が続いているようだ。
(樋口尚平)