島精機製作所、2025年3月期 第2四半期 連結決算──主力の横編機が苦戦し減収、損失を計上
update: 2024/11/05
島精機製作所の2025年3月期 第2四半期(4-9月)の連結決算は、主力の横編機が苦戦し、2ケタの減収となった。売上総利益(粗利)が減少したこともあり、販管費を吸収しきれず、損失を計上するに至った。
China市場、「ホールガーメント®」が低調
連結の売上高は147億7,100万円(22.9%減)で2ケタの減収となった。China市場やバングラデシュなど、全体的に苦戦傾向だった。売上総利益率(粗利率)は38.4%(1.9ポイント減)と減少した。販管費率が上場したこともあり、営業損失19億3,800万円(前期は営業利益3億6,700万円)を計上するに至った。
為替のマイナスの影響──5億8,500万円の計上もあり、経常損失20億3,500万円(前期は5億6,400万円の経常利益)を計上するに至った。四半期純損失は21億2,400万円(同3億6,800万円)だった(表1を参照)。
セグメント別の売上高は、主力の「横編機」が99億7,100万円(29.6%減)と2ケタの減収となった。廉価品が増えているChina市場が低調だったほか、日本やイタリアなども苦戦傾向だった。バングラデシュは政情不安の影響で伸び悩んだ。「デザインシステム関連」は13億7,100万円(19.9%減)と2ケタの減収。「手袋靴下編機」は4億2,900万円(430.9%増)と回復した(表2を参照)。
「横編機」の販売台数は、2,227台(1,037減)と苦戦。「ホールガーメント®」は216台(153減)と低調な推移だった。China市場では、不動産バブルの崩壊後、需要が戻っていないという。しかしバングラデシュで回復の兆しが見え始めたこと、バイは小さいがインドなどの新規市場にも期待が持てることなど、プラス材料も増えつつあるようだ。
財務面は引き続き安定している。今後は、まだ認知度が低い自動裁断機「P‐CAM」の拡販を進める。強みの横編機は、中期的には自動化を進め、余剰人員を裁断機事業へシフトさせていく計画だ。
通期の業績見通しは、下期の推移が不透明なため、据え置いている。連結売上高440億円(22.5%増)、営業利益15億円(248.6%増)、経常利益22億円(116.1%増)、当期純利益17億円(65.0%増)の計画だ。
(樋口尚平)