国内主要上場アパレル企業6社、2025年2月期 第1四半期まとめ──経費増が影響し利益が減少する傾向に
update: 2024/07/22
国内主要上場アパレル企業6社の2025年2月期第1四半期(3-5月)をまとめた。経費増が影響し利益が減少する傾向となった。増収を達成した企業は3社、増益した企業は1社にとどまった。
オンワードHDとアダストリアが増収、しまむらは増収増益に
対象にしたのはオンワードホールディングス、アダストリア、TSIホールディングス、バロックジャパンリミテッド、三陽商会、しまむらの計6社(順不同)。いずれも2025年2月期で、5月末に第1四半期を迎えた企業である。パルグループホールディングスはシステムの不具合により決算開示が延期されたため、含めていない。
オンワードホールディングスの第1四半期決算は増収減益となった。OMOサービス「クリック&トライ」が引き続き貢献したほか、新規ブランドの「UNFILO」(アンフィーロ)が74.2%増、オーダースーツの「KASHIYAMA」が37.4%増と健闘。「チャコットコスメティクス」も17.6%増と好調に推移した。売上総利益率(粗利率)は、在庫の適正化を進めた影響で56.7%(1.4ポイント減)と下がったが、販管費率は減少した。
アダストリアは増収減益。「グローバルワーク」(売上高145億7,400万円、5.4%増)や「ニコアンド」(同85億9,300万円、5.6%増)、「ローリーズファーム」(同61億4,800万円、6.4%増)など主力ブランドが堅調な推移だった。円安、卸売事業の増加が影響して粗利率が低下したが、利益率は高い比率を保っている。
TSIホールディングスは微減収減益。期首は3月の天候不順で苦戦したが、後半は盛り返し、0.2%減とほぼ前年並みの着地となった。原材料の高騰や在庫の増加が影響し減益となった。主力ブランドでは、「パーリーゲイツ」が40億3,900万円(6.9%減)と苦戦。「マーガレットハウエル」は35億9,400万円(6.9%増)と健闘した。「ナノユニバース」は34億2,200万円(0.7%増)とほぼ前年同期比並みだった。
バロックジャパンリミテッドは減収減益。China(中国)事業の低迷が足を引っ張った。国内事業も伸び悩んだ。国内のEC売上は25億5,500万円(0.5%増)とほぼ前年同期比並み。「SCブランド」(ショッピングセンター)が59億100万円(8.7%減)と苦戦した。
しまむらは、増収・微増益。売上高は1,644億6,600万円(4.75増)と堅調で、第1四半期としては過去最高額となった。粗利率が微減し、販管費率が微増したが、ほぼ前年同期比並みの営業利益を確保した。販管費率の増加は主に賃上げによる影響である。主力業態の「しまむら」は売上高1,198億4,300万円(4.6%増)と堅調な推移。「アベイル」が163億9,000万円(5.2%増)、「バースディ」も219億6,200万円(4.2%増)と健闘した。
(樋口尚平)