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グンゼ、2025年3月期 第2四半期 連結決算──減収、コスト増で減益に

update: 2025/11/10

「アパレル」ではECなどで 「アセドロン」等が健闘した

「アパレル」ではECなどで
「アセドロン」等が健闘した

グンゼの2026年3月期 第2四半期 連結決算は「機能ソリューション」などの苦戦で減収、コスト増が影響し減益となった。新規分野の「メディカル」は横ばい、「アパレル」は微減収。在庫縮小などの影響を受けて、減益に至った。

機能ソリューションが伸び悩み、インナーウエアの「アセドロン」などが健闘

グンゼ、2026年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

グンゼ、2026年3月期 第2四半期
財務数値一覧(表1)

連結売上高は652億7,000万円(3.1%減)の減収となった。「機能ソリューション」における事業終息や需要停滞などが影響し、減収となった。売上総利益率(粗利率)は32.0%(0.8ポイント増)の微増。販管費率が増加したこともあり、営業利益が31億8,600万円(10.7%減)と伸び悩んだ。同じく経常利益も32億500万円(12.6%減)の減益。当期純損益は6億5,800万円(前期は29億5,600万円の黒字)の損失計上となった。

「機能ソリューション」は売上高236億6,700万円(7.7%減)、営業利益33億4,600万円(2.9%増)の減収増益。新規分野の「メディカル」は売上高64億8,000万円(0.2%増)、営業利益9億4,800万円(25.8%減)だった。

「アパレル」は売上高607億8,200万円(1.1%増)と堅調な推移。営業利益は7億5,300万円(48.6%減)と減少。Eコマースでは、通年アイテムの「アセドロン」やレディスインナー「キレイラボ」が健闘したが、量販店などは残暑や売り場縮小の影響でメンズインナー等が苦戦した。円安や原価、人件費のコスト増が響き、減益に至った。レッグ関連は「サブリナ」が堅調に推移した。

グンゼ、2026年3月期 第2四半期 部門別売上高(表2)

グンゼ、2026年3月期 第2四半期
部門別売上高(表2)


通期の連結業績に変更はない。売上高1,400億円(2.1%増)、営業利益85億円(7.3%増)、経常利益83億円(1.5%増)、当期純利益28億円(55.4%減)。1ケタの増収増益を計画している。

「アパレル」事業の立て直し──国外拠点を整備、収益性の向上を目指す

「アパレル」ビジネスは、収益力を回復すための事業構造改革「AXプロ」に取り組み中だ。今期から来期にかけて、国内の梁瀬や東北などの工場を閉鎖し、国外も含めて、生産拠点の再配置、効率化を計画している。収益が期待できるカテゴリーを重点的に強化する。

強みの1つである綿製品の生産は、宮津工場へ集約する。そのほか、熱圧着の製品などは既存の国外工場へ移管。必要な生産体制を整備するため、追加の投資を計画している。今夏に公表した、アパレルカンパニーの間接部門と営業部門を対象にした早期退職の募集では、同カンパニーの総勢およそ2,300人中、計82人が申し込んだ。今後の生産・販売体制に大きな影響はないと見ている。

「アパレル」ビジネスは、売り上げの規模が「機能ソリューション」よりも大きいが、利益率は低い。収益性の改善が最優先課題だった。恒常的なコスト高が足を引っ張っているほか、主力である国内市場は伸び悩みが続いている。ECビジネスなどDTCを拡充しているが、既存の卸ビジネスよりもまだまだ規模が小さい。継続してDTCは強化するが、抜本的な改善策として、国内外を含めた生産拠点の再配置を実施する。

2年後の2027年度(2028年3月期)には、営業損益の改善目標として、33億円の利益計上を掲げている。その際の売上規模は現在よりも減少する見通し。粗利益を確保し、収益性を高める方針である。                                    

(樋口尚平)

グンゼ、2025年3月期 第2四半期 連結決算──減収、コスト増で減益に

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