ファーストリテイリング、2024年8月期 連結決算──2ケタの増収増益を達成、売上収益が初の3兆円台に到達
update: 2024/10/21
ファーストリテイリングの2024年8月期連結決算は、2ケタの増収増益を達成した。売上収益が初の3兆円を超えた。営業利益も初めて5,000億円に到達した。主力の「ユニクロ事業」が国内外ともに好調で、好業績のけん引役となった。「ジーユー事業」も増収増益と堅調、「グローバルブランド事業」が黒字回復した。
主力の「ユニクロ事業」がけん引役に
連結の売上収益は、3兆1,308億3,600万円(12.2%増)と2ケタの増収を達成した。3兆円台に到達し、過去最高額を更新した。売上総利益率(粗利率)は53.9%(2.0ポイント増)と改善。販管費率が38.3%(0.2ポイント増)と低く抑えられたこともあり、営業利益が5,009億400万円(31.4%増)と2ケタの増益で、初の5,000億円台に到達した。税引前利益も5,572億100万円(27.2%増)と2ケタの増益。当期純利益は3,719億9,900万円(25.6%増)に至った。
セグメント別の売上収益は、主力の「ユニクロ事業」が2兆6,440億円6,000万円(13.6%増)と2ケタの伸び。「国内ユニクロ事業」は9,322億円(4.7%増)、「海外ユニクロ事業」は1兆7,118億円(19.1%増)と好調に推移した。「国内ユニクロ事業」は過去最高の業績を更新した。下期の既存店が11.7%増と健闘。インバウンドやEC売上もプラスに働いた。ECは売上高1,369億円(2.3%増)、売上比率が14.7%となった。
「海外ユニクロ事業」では、欧州や北米、東南アジアやインド、豪州が大幅な増収増益となった。「グレーターチャイナ」(中華圏)の規模が最も大きく、売上収益6,770億円(9.2%増)、営業利益1,048億円(0.5%増)。「韓国、東南アジア・インド・豪州」は売上収益5,405億円(20.2%増)、営業利益976億円(24.8%増)で2ケタの成長となった。「北米」は売上収益2,177億円(32.8%増)、営業利益348億円(65.1%増)、「欧州」は同2,765億円(44.5%増)、同465億円(70.1%増)だった。
「ジーユー事業」も売上収益3,191億円(8.1%増)、営業利益337億円(28.9%増)と堅調な推移。「グローバルブランド事業」は売上収益1,388億円(2.0%減)と減収したが、営業利益が6億円(前期30億円の損失)と黒字回復を果たした。「プラステ」及び「コントワー・デ・コトニエ」事業で事業構造改革が進んだ。
期末の店舗数は、3,595店(出265、退248)。うち、「ユニクロ事業」が2,495店(出181、退120)。「国内ユニクロ事業」が797店(出37、退40)、「海外ユニクロ事業」が1,698店(出144、退80)。
通期の業績予想は、連結売上収益3兆4,000億円(9.5%増)、営業利益5,300億円(5.8%増)、税引前利益5,850億円(5.0%増)、当期純利益3,850億円(3.5%増)。当期に引き続き、増収増益を計画している。
(樋口尚平)