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主要上場国内アパレル企業8社、2024年2月期 連結決算まとめ──過半数で増収増益を達成

update: 2024/05/20

主要上場国内アパレル企業8社+1、 2024年2月期まとめ (画像はオンワードホールディングス)

主要上場国内アパレル企業8社+1、
2024年2月期まとめ
(画像はオンワードホールディングス)

主要な上場国内アパレル企業8社の2024年2月期連結決算をまとめた。過半数のメーカーが増収増益を達成した。コロナ禍からの影響から完全に脱して、成長基調に乗った企業が増えてきた。ワールドは当期から決算期を2月期に変更したため、11カ月の変則決算となる。一方、第2四半期を迎えたファーストリテイリングは過去最高の収益を達成した。

過去最高収益を確保したケースも

主要上場国内アパレル企業8社+1、 2024年2月期 財務数値一覧(表1)

主要上場国内アパレル企業8社+1、
2024年2月期 財務数値一覧(表1)

対象にした企業は、オンワードホールディングス、アダストリア、TSIホールディングス、三陽商会、バロックジャパンリミテッド、パルグループホールディングス、しまむら、ワールドの8社。ワールドは11カ月の変則決算のため、別表にまとめた。参考に、2月末で第2四半期を迎えたファーストリテイリングの業績も加えた。

8社中5社が増収増益を達成し、6社が増益となった。ワールドは、売上収益は前年の金額を下回ったが、利益は軒並み1カ月少ない期間で前年度を上回った。TSIホールディングスおよびバロックジャパンリミテッドが微増収、減益と苦戦した。

ワールド、2024年8月期 財務数値一覧(表2)

ワールド、2024年8月期
財務数値一覧(表2)


オンワードホールディングスは増収増益。営業利益は2008年度以降で最高の112億6,000万円(115.9%増)となった。国内のアパレル事業、ライフスタイル事業が健闘した。「23区」(15.5%増)など注力ブランドが好調だった。店頭で試着サービスが受けられる「クリック&トライ」も後押しし、リアルとオンラインの相乗効果を狙ったOMO業態も収益に貢献した。また、海外事業も損失幅が順調に削減された。

アダストリアは売上高、営業利益が過去最高を記録した。営業利益は108億1,500万円(56.4%増)。主力ブランドの「グローバルワーク」(13.3%増)や「ニコアンド」(12.5%増)、「ローリーズファーム」(4.8%増)が好調に推移した。「ラコレ」が108億700万円(36.2%増)で、100億円台に到達した。

ファーストリテイリング、 2024年8月期 第2四半期 財務数値一覧(表3)

ファーストリテイリング、
2024年8月期 第2四半期 財務数値一覧(表3)


TSIホールディングスは、ゴルフ事業と米国ストリート事業が反動減で伸び悩んだこともあり、売上高は微増収にとどまった。為替などの影響もあり、営業利益が17億6,000万円(24.4%減)と落ち込んだ。ブランド別では「パーリーゲイツ」が5.7%減、「ナノユニバース」が3.4%減。「マーガレットハウエル」は10.4%増と健闘した。

三陽商会は増収増益を達成した。財務面の健全化も進み、利益体質の企業体に改善された観がある。5年前から取り組んできた再生プラン、それに続く中期経営計画が功を奏した形だ。EC・通販は前年並みだったが、主力の百貨店、直営店などが健闘した。

バロックジャパンリミテッドは増収減益。販管費の増加を増収でカバーし切れなかった。米国事業の不振も足を引っ張った。パルグループホールディングスは、過去最高の売上高を達成。利益面も同様に過去最高益を確保した。

しまむらは微増収、微増益。高い収益性を維持している。売上高、各利益で過去最高を達成した。商品企画、販管費のコントロールなどがうまく行き、安定した収益を確保した。主力の「しまむら」業態は4,769億5,700万円(3.3%増)と堅調な推移。そのほかの業態も安定した推移だった。                                    

(樋口尚平)

主要上場国内アパレル企業8社、2024年2月期 連結決算まとめ──過半数で増収増益を達成

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