H&M AB、2023年11月期 第2四半期 連結決算
1ケタの増収、コスト増で減益傾向に

update: 2023/07/10

H&Mの2023年11月期
第2四半期は増収減益に
（画像は説明資料から抜粋）

「H&M」などSPA業態の小売店を展開するH&M（Hennes & Maurits＝ヘネス＆マウリッツ）AB（H&M社）の2023年11月期第2四半期（12－5月）連結決算は、増収減益となった。原材料高や輸送コスト、為替の影響などが足を引っ張ったようだ。売り上げは堅調な推移で、リアル店舗が減り、Eコマースの比率が高まってきた。

リアル店舗が約300店減、東欧が苦戦

H&M、2023年11月期
第2四半期 財務数値一覧（表1）

連結の売上収益は、1,124億8,800万スウェーデンクローナ（約1兆3,498億5,600万円、1スウェーデンクローナ＝12円で換算）、8.5％増と堅調に推移した。売上総利益率（粗利率）は50.0％（2.2ポイント減）。原材料高や輸送コスト、為替などが影響したようだ。営業利益は54億6,600万スウェーデンクローナ（約655億9,200万円、同）、0.4%増でほぼ前年並みだった。

金融項目控除利益は47億2,100万スウェーデンクローナ（約566億5,200万円、同）、6.8％減。四半期利益も38億2,800万スウェーデンクローナ（約459億3,600万円、同）、1.8％減と減益に至った（表1を参照）。

地域別の売上収益は、「The Nordics」（北欧）が101億4,500万スウェーデンクローナ（約1,217億4,000万円、同）、7.1％増と堅調な推移。最も売上規模の大きい「Western Europe」（西欧）も371億4,200万スウェーデンクローナ（約4,457億400万円、同）、10.8％増と好調に推移した。同様に「Southern Europe」（南欧）も145億1,700万スウェーデンクローナ（約1,742億400万円、同）、10.1％増と健闘した。

H&M、2023年11月期
第2四半期 地域別売上高（表2）

「Eastern Europe」（東欧）が87億8,700万スウェーデンクローナ（約1,054億4,400万円、同）、5.6％減と苦戦した。日本を含む「Asia,Oceania & Africa」（アジア、オセアニア、アフリカ）は155億2,400万スウェーデンクローナ（約1,862億8,800万円、同）、5.9％増と健闘した（表2を参照）。

期末の店舗数は、4,399店（303減）。期首からは66店減、前年同期比では303店減と減少した。主力業態の「H&M」は店舗数が4,000を割り込み、3,893店（264減）となった。リアル店舗の数は減少したが、売り上げは伸びている。オンラインの売上比率は約30％。着実に効率化が進んでいるようだ。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

（樋口尚平）