島精機製作所、2024年3月期 第2四半期 連結決算
生産の効率化で粗利が改善し増収、利益を確保
update: 2023/11/07
島精機製作所の2024年3月期 第2四半期(4-9月)の連結決算は、操業の効率化が進んだことで売上総利益(粗利)が回復し、増収を達成した。販管費率が低下したこともあり、利益を確保。5年ぶりに黒字回復を果たした。
5年ぶりに黒字を回復
連結の売上高は191億6,900万円(7.0%増)と増収を達成した。売上総利益率(粗利率)は40.3%(2.2ポイント増)と改善。生産効率の向上で粗利が増加した。販管費が低下したこともあり、営業利益3億6,700万円(前期は営業損失4億3,500万円)を計上するに至った。
円安による為替の押し上げ効果もあった。売上高に占める為替の影響がプラス9億6,100万円、営業利益ではプラスの6億5,400万円だった。経常利益は5億6,400万円で、営業利益と同様に黒字を回復した。四半期純利益は3億6,800万円だった(表1を参照)。
セグメント別の売上高は、主力の「横編機」が141億5,800万円(9.8%増)と増収を達成した。「デザインシステム関連」は17億1,100万円(7.1%増)。「手袋靴下編機」は8,000万円(81.4%減)だった(表2を参照)。
「横編機」の販売台数は、3,633台(192増)と健闘。うち「ホールガーメント®」は367台(70増)と復調した。香港や欧州のメーカーからの受注が増加した。ベトナムやバングラデシュなど受注が堅調な地域もあるが、概して厳しい環境が続くと分析している。
財務内容は安定した状態が続く
一方、財務面は引き続き安定している。生産性の効率が回復したため、粗利率が改善し商品回転率も好転した。手元資金は潤沢にあり、投資に関する当面の懸念材料は見当たらない。
今後は、自動裁断機「P‐CAM」の拡販に本腰を入れようとしている。強みの横編機と併せて、「販売スタッフを増員し、急ピッチで拡販していこうと考えている」(島三博 代表取締役社長)。
通期の業績見通しは、下期も厳しい環境が続くと想定し、据え置いている。通期も第2四半期同様、黒字転換を目指す。連結売上高430億円(13.5%増)、営業利益10億円、経常利益17億円、当期純利益12億円の計画だ。
(樋口尚平)