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INDITEX、2022年1月期 連結決算
2ケタの増収、大幅な増益を達成

update: 2022/03/28

INDITEXの2022年1月期は 増収増益を達成した (画像は説明資料から抜粋)

INDITEXの2022年1月期は
増収増益を達成した
(画像は説明資料から抜粋)

「ザラ」や「ベルシュカ」などカジュアルアパレルのSPA業態を展開するINDITEX(インディテックス)社の2022年1月期連結決算は2ケタの増収を達成した。利益面では大幅な増益となった。主力業態の「Zara」(ザラ)が健闘したほか、オンライン売り上げも好調な推移だった。

順調に収益が回復するも、一昨年度の実績には届かず

INDITEX、2022年1月期 財務数値一覧(表1)

INDITEX、2022年1月期
財務数値一覧(表1)

連結の売上収益は、277億1,600万ユーロ(約3兆5,753億6,400万円、1ユーロ=129円で換算)、35.8%増と2ケタの増収となった。主力業態の「Zara」(ザラ)がけん引役となった。コロナ禍の影響を受けていない一昨年の2019年度(2020年1月期)の実績――282億8,600万ユーロには届かなかった。

売上総利益率(粗利率)は57.1%(1.3ポイント増)と改善し、過去6年間で最も高い水準となった。EC=オンラインの売り上げが75億ユーロ(約9,675億円、同)、14.0%増と順調に成長したこともあり、収益性や効率性が向上した。相対的に販管費率が低下したこともあり、営業利益(EBIT)は42億8,200万ユーロ(約5,523億7,800万円、同)、184.1%増と大幅な増益を達成した。2019年度の47億7,200万ユーロは下回った。

税引前利益は41億9,900万ユーロ(約5,416億7,100万円、同)、199.7%増と回復。当期純利益も32億4,300万ユーロ(約4,183億4,700万円、同)、193.2%増と増益を達成した(表1を参照)。しかし、2019年度の実績は下回った。

主力業態の「Zara」が復調、2019年度並みの水準に

INDITEX、2022年1月期 業態別売上高(表2)

INDITEX、2022年1月期
業態別売上高(表2)

業態別の売り上げでは、主力の「Zara」(ザラ)が195億8,600万ユーロ(約2兆5,265億9,400万円、同)、38.6%増と復調した。2019年度の実績、195億6,400万ユーロをわずかだが上回った。税引前利益は29億9,000万ユーロ(約3,728億1,000万円、同)、197.6%増。2019年度の実績、33億7,000万ユーロには届かなかった。

そのほかの業態も軒並み2ケタの増収、3ケタの増益と順調に回復した。「Bershka」(ベルシュカ)が21億7,700万ユーロ(約2,808億3,300万円、同)、22.9%増。「Stradivarius」(ストラディヴァリウス)は18億2,4000万ユーロ(約2,352億9,600万円、同)、42.2%増だった(表2を参照)。

期末の店舗数は6,477店(352減)。2年前の7,469店から約1,000店減少した。「Zara」は1,939店(86減)、「Zara Kids」が68店(25減)、「Zara Homes」が482店(53減)。「Bershka」が971店(34減)、「Stradivarius」が915店(21減)と減少した。リアル店舗主体だった収益構造において、オンラインの比率が徐々に高まってきた。

財務面では、効率性指標が好転している。商品回転率が4.4、粗利率が改善したため、交差比率が251.2と向上した。流動性指標では、流動比率と手元流動性比率がやや低下。D/Eレシオは無視してもいい水準にある。                                    

(樋口尚平)

INDITEX、2022年1月期 連結決算 2ケタの増収、大幅な増益を達成

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