ワコールホールディングス、グンゼ
2022年3月期 第2四半期決算まとめ
update: 2021/11/08
上場主要インナーメーカー2社の第2四半期決算をまとめた。対象はワコールホールディングスとグンゼで、いずれも2022年3月期の第2四半期(4-9月)決算を開示したばかりだ。両社共にコロナ禍の影響から復調し、増収増益を達成した。一昨年の2019年度の水準にまでは回復していない。
国内外の「ワコール事業」が回復
ワコールホールディングスの2022年3月期第2四半期決算は、2ケタの増収増益となった。連結売上高は874億1,900万円(19.5%増)と好調な推移だった。営業利益は39億7,600万円(211.6%増)と大幅な増益。税引前利益も55億円(52.7%増)とプラスに転じた。
けん引役になったのは海外の「ワコール事業」で、売上高は323億7,900万円(66.5%増)、営業利益が26億6,300万円で黒字転換した。経済活動が再開されたことで、欧米市場を中心に売り上げが回復した。感染症発生前の水準を上回った。
その半面、国内の「ワコール事業」は伸び悩んだ。売上高は429億3,500万円(4.6%増)と増収したが、自粛の影響によるリアル店舗への来客減が大きく響いて、小幅な伸びにとどまった。営業利益は7億4,000万円(18.9%減)と減益に至った(表2を参照)。
「ピーチ・ジョン事業」は売上高61億6,100万円(1.5%増)、営業利益10億5,300万円(3.8%増)と堅調な推移だった。
グンゼの「アパレル」はコロナ禍の影響が残る
グンゼは増収増益基調だった。連結売上高は593億9,100万円(2.3%増)。「アパレル」事業は売上高274億4,500万円(6.2%減)と減収。コロナ禍による自粛の影響や天候不順が足を引っ張った。営業利益は4億6,300万円(20.5%増)と増益を達成した。
リアル店舗は伸び悩んだが、その一方でECビジネスは健闘した。「キレイラボ」などのレディスインナーや、メンズ「ボディワイルド」のカジュアルTシャツ、成型ボクサー「3DB」などか好調だった。レッグ関連では、自粛による外出機会の喪失で、ストッキングが苦戦した。
アイテム別の売上高は、「インナー」が165億円(2%減)、「レッグ」が57億円(20%減)。ベトナムのロックダウンの影響もあったが、「(商品の)競争力は落ちているわけではない」(佐口敏康 代表取締役社長)。今年10月以降は回復の兆候を見せており、「ECも含めて、反転攻勢に期待している」(同)。
(樋口尚平)