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島精機製作所、2022年3月期 第2四半期 連結決算
コロナ禍から回復し増収、損失幅が縮小

update: 2021/10/29

株式会社島精機製作所 代表取締役社長 島 三博 氏

株式会社島精機製作所
代表取締役社長 島 三博 氏

島精機製作所の2022年3月期第2四半期(4-9月)の連結決算は、コロナ禍から回復して増収を達成した。売り上げの回復に伴い、粗利益も増加し損失幅が縮小した。各セグメントで利益を確保するに至った。

各セグメントで利益を確保、欧州ビジネスがけん引

2022年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

2022年3月期
第2四半期 財務数値一覧(表1)

連結の売上高は158億1,400万円(56.2%増)と2ケタの大幅増収となった。売上総利益率(粗利率)は34.4%(9.2ポイント増)と大きく回復した。営業損失15億5,800万円(前期は営業損失41億8,300万円)を計上するに至ったが、前期と比べ損失幅が大きく縮小している。経常損失は8億4,400万円と営業段階より損失幅が縮小した。四半期純損失も10億6,800万円と改善した(表1を参照)。

セグメント別の売上高は、主力の「横編機」が104億7,700万円(67.9%増)と大幅に改善した。「デザインシステム関連」は13億1,000万円(56.3%増)。「手袋靴下編機」は16億400万円(61.6%増)と各セグメントで増収を達成した(表2を参照)。想定よりもイタリアのビジネスの回復が3倍増と早かった。欧州ビジネスがけん引役になったようだ。その半面、China(中国)の回復がやや遅れているという。

販売台数は、「横編機」が1,969台(173台減)。前年度実績には、785台のChinaの廃業した企業からの中古品の再販が含まれる。新品の販売は回復している。また、「ホールガーメント®」は509台(151台増)と回復した。

財務状態は安定、投資資金の不安はなし

2022年3月期 第2四半期 セグメント売上高(表2)

2022年3月期
第2四半期 セグメント売上高(表2)

財務面は引き続き、安定している。手元流動性資金は短期借入金の返済でやや減少しているが、有利子負債の額を上回っており、実質的に無借金経営である。前期の傾向と同様に、短期借入金が減少したことでD/Eレシオが改善した。

販管費が粗利を上回り決算は損失計上だが、各セグメントで黒字化するなど、着実にコロナ禍から復調しつつある。受注件数そのものは増加傾向だと言うが、世界的に部品の安定調達が難しくなっているため、見通しはまだ不透明感があるという。

島三博 代表取締役社長は「2022年秋冬シーズンから本格的にアパレルの需要が回復してくる」と予測する。来春辺りの設備投資の需要増を見据え、営業活動を活発化しているところだ。

通期の業績見通しは据え置いている。これは「①部品調達が安定しないこと、②2021年秋冬商戦が弱含みであること、③中国経済の下振れ懸念、があるため」(島 社長)だ。連結売上高280億円(14.3%増)、営業損失70億円、経常損失63億円、当期純損失64億円を計画している。                                    

(樋口尚平)

島精機製作所、2022年3月期 第2四半期 連結決算 コロナ禍から回復し増収、損失幅が縮小

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