The Gap,Inc. 2021年1月期 第2四半期 連結決算
コロナ禍の影響で減収、損失を計上
update: 2020/08/31
「ギャップ」などアパレルカジュアルショップを展開するSPA企業、The Gap,Inc.(ギャップ社)の 2021年1月期 第2四半期(2-7月)連結決算は、コロナ禍の影響で減収、損失を計上するに至った。店舗数の減少も影響した。ECビジネスは倍増と好調な推移だった。Q1(2-4月)は苦戦したが、Q2(5-7月)に入った5月以降は回復基調となった。
5月以降は回復基調に
連結の売上収益は、53億8,200万米ドル(約5,651億1,000万円、1米ドル=105円で換算)、30.2%減。コロナ禍でほとんどの店舗が一時的に閉鎖を余儀なくされたため、売り上げが減少した。しかし第2四半期(5-7月)はテンポの営業再開が進んだことで、売り上げが回復。営業利益7,300万米ドル(約76億6,500万円、同)を確保するに至った。また、ECビジネスは前年に比べ倍増と好調に推移した。
売上総利益率(粗利率)が26.3%(11.3ポイント減)と大幅に減少した。販管費が増えたこともあり、営業損益は11億7,100万米ドル(約1,229億5,500万円、同)の損失となった。支払利息の増加もあり、経常損失が13億米ドル(約1,365億円、同)となった(表1を参照)。
地域別の売上高は軒並み2ケタの減収となった。特に日本を含む「Asia」(アジア)地域が2億9,500万米ドル(約309億7,500万円、同)、41.5%減と落ち込みの幅が大きかった。主力の「U.S.」(米国、プエルトリコ、グアム)は45億2,400万米ドル(約4,750億2,000万円、同)、28.4%減だった。
業態別では、「Banana Republic」(バナナリパブリック)が売上高5億7,200万米ドル(約600億6,000万円、同)、51.7%減と半減した。店舗数の減少も影響したようだ。主力の「Old Navy」(オールドネービー)は同29億1,900万米ドル(約3,064億9,500万円、同)、22.6%減。「Gap」(ギャップ)業態は同13億700万米ドル(約1,372億3,500万円、同)、38.9%減だった(表2を参照)。
期末の店舗数は、3,814店(出78、退183)。期首に比べて、105店舗減少している。うち「Franchise」(フランチャイズ)は599店(出35、退10)と増加した。主な業態では、「Old Navy」が1,213店(出14、退25)。期中にアジア地域の17店を閉めて、完全撤退した。「Gap」は1,098店(出15、退87)。「Banana Republic」は545店(出6、退50)。
下期以降の業績見通しは、「商況が非常に不確実」だと判断し、具体的な数値は開示していない。
(樋口尚平)