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来年からライフスタイル提案型の取り組みを強化
別会社によるメガストアブランド構想も
パルグループ

update: 2013/12/11

専務執行役員 大 谷 時 正 氏

専務執行役員
大 谷 時 正 氏

2013年2月期連結で売上高924億7900万円(前期比8・3%増)を達成し、2014年2月期連結で売上高1003億円を見込むパルグループ。多ブランド戦略で知られる同社の中でもカジュアル業態の「チャオパニック」は長い歴史があり、9年前には郊外型ショッピングセンター向けのセカンドライン「チャオパニックティピー」が立ち上がった。今回は同社の専務執行役員の大谷時正さんと、常務執行役員第二事業部長の田渕孝彦さんに同社の現状とカジュアル市場の展望を伺った。


常務執行役員 第二事業部長 田 渕 孝 彦 氏

常務執行役員
第二事業部長
田 渕 孝 彦 氏

セカンドラインの「チャオパニックティピー」はきれい目カジュアルテイストでメンズ、レディース、キッズがまとめられており、ターゲットは30代ファミリー。本体の「チャオパニック」はこれとすみわけをする意味もあり、数年前から20代へとターゲット年齢を引き下げた。この功罪については、「若い層をターゲットとしたことで自然と価格が下がってしまった。昔はジョンブルやドミンゴのジーンズを9800~1200円で販売していたが、SPA比率を高めたことで自社企画ジーンズは7900円前後になってしまった」と田渕常務。また大谷専務は「価格面はその通りだが、利益率を高めるためにはSPA比率を高める必要があったが、個人的にはこれを高めすぎたと感じている。郊外型ショッピングセンター向けの『チャオパニックティピー』はSPA比85%の今のままでも良いが、本体の『チャオパニック』のSPA比率も7割程度にまで高まっている。そのため本来、中価格帯以上を扱っている『チャオパニック』にとってはテイストを薄めることになってしまったと反省している」という。


チャオパニックティピー

チャオパニックティピー

現在、「チャオパニック」の年間売上高は50数億円、「チャオパニックティピー」の売上高は約40億円。郊外型ショッピングセンターへの出店が続く「チャオパニックティピー」は店舗数を増やしているが、路面店と都心ファッションビルを中心とする「チャオパニック」は店舗数の増加よりも既存店売上高の向上に努めている。


チャオパニック南船場店

チャオパニック南船場店

大谷専務は「ここ数年の流れを見てきて、『物』だけを売る店は支持されなくなった。社会貢献やライフスタイル提案を通して共感・賛同される店が支持されている。残念ながら当社はそういう取り組みと打ち出しが弱かった側面があり、来年から強化していきたい」という。その上で、来年から「チャオパニック」も新たなライフスタイル提案の取り組みを開始するとともに他事業部内にも2つのライフスタイル提案型の複合ブランドを開始する。さらにパルグループとして別会社を立ち上げ、新ライフスタイル提案型のメガストアブランドを始める構想も披露した。

同社の新たな試みはカジュアル業界に新風を吹き込むことができるかだろうか。

(ファッションライター 南充浩)

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