シキボウ、展示商談会──“纏う”(まとう)をテーマに幅広い機能素材を提案
update: 2025/10/10
シキボウは展示商談会において、“纏う”(まとう)をテーマに幅広い機能素材を提案した。洋服を纏うという意味に加えて、「機能性を纏う」という意味合いも込めている。快適性訴求、環境保全、清潔対応など様々な切り口で機能素材や加工技術を出展した。
快適性訴求、環境保全、清潔対応など、幅広い用途で構成
秋10月の展示会では、大きく3つのカテゴリー、「自然」「快適」「清潔」を目的とした機能素材や加工技術を提案している。1つ目の「自然」を意識したカテゴリーでは、新たに生分解ポリエステル「CRAFTEVO®ReTE」(クラフトエボ リーテ)を採用した「AZEK®」(アゼック)を開発した。「クラフトエボ リーテ」はV&A Japan(大阪市)が開発した機能素材で、指定のコンポスト(堆肥にする場所)を用い、生分解により土に戻る特性を持つ。放湿性を持つ快適素材「アゼック」に採用し、主にユニフォーム向けを想定する。
「快適」の切り口では、汗じみを抑える素材「SWEAT CONTROL®」(スエットコントロール)を提案した。独自の糸使いと編み組織を工夫し、汗じみを抑える機能を持たせた。学生向けウエアやレディスでの採用を目指している。また「汗DRY®DEO」では、汗のにおいの元になると言われるマイクロコッカス菌の増殖を抑える機能を持たせた抗菌加工も提案している。
「清潔」の切り口では、「Care Wall AG」(ケアウォールエージ―)を出品した。「SEK」の認証マークを取得した加工で、繊維上の特定のたんぱく質を低減する機能を持つ。主にシーツなど寝装品への採用を考えている。
新しい提案では、和紙を糸に寄り込んだ和紙糸「WASHI」を開発した。ITOI生活文化研究所の特許装置で製造された「DIRECT WASHI®」を使用した素材だ。シャリ感のある風合いで、靴下やタオルなどに適した素材 感である。
ユニフォームでは、台湾の拠点で生産する素材も引き続き提案している。また、クールビズ需要を想定した布帛素材「COOL BODY®」も開発。毛羽が少ない紡績糸を使用し、シャリ感を持つ肌離れのいい素材である。そのほか、インナー向け素材をまとめたコーナーも設けた。アイテムやシーンごとの編集で、分かりやすく工夫を凝らしている。
(樋口尚平)