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展示会レポート
第54回ASM OSAKA(旧 大阪ミシンショー)を2年ぶりに開催

update: 2024/02/19

「ASM OSAKA」に改称した 第54回を迎えた展示会

「ASM OSAKA」に改称した
第54回を迎えた展示会

大阪府ミシン商業協同組合(理事長、大町敏之)が主催する第54回ASM OSAKA(旧 大阪ミシンショー)が2月16日と17日の2日間、インテックス大阪を会場に開催された。2022年以来、2年ぶりの展示会開催となった。

脱技能と作業の効率化が主なテーマに

今回から、展示会の名称を従来の「大阪ミシンショー」から新たに「ASM OSAKA」(アスモオオサカ)に改めた。副題には、「Apparel & Sewing Machine promotion」の文言を添えた。かねて大阪府ミシン商業協同組合が推進してきた「展示会事業の多角化・出展業種拡大を目的」にしている。

同展示会には工業用から家庭用の大手ミシンメーカーをはじめ、縫製作業に関わる多種多様な企業が出展した。出展社数は前回並みの53社(1減)で、ミシンなど縫製機器をはじめ、裁断機器のほか、周辺の用品や消耗品など、総合的な商材が国内から一堂に会する機会となった。

以下に、主要な出展社の提案内容をまとめている(順不同)。共通した傾向は前回に引き続き、人手不足の中、いかに生産効率と品質の安定化を実現するかという点が重視されている。高度な機械化による自動操業などの技術革新により、アパレル企業など顧客の課題解決策の提案が多く見られた。また、世界的なトレンドであるストレッチ性の高いニット素材を縫製するミシン機器の出品も共通した傾向だった。

島精機製作所は自動裁断機「P‐CAM」の 最新機種「P‐CAM R」を出展した

島精機製作所は自動裁断機「P‐CAM」の
最新機種「P‐CAM R」を出展した

島精機製作所は国内展示会で初めて「Reborn」(リボーン)のテーマを掲げた。メーンで提案したのは自動裁断機「P‐CAM」の最新機種「P‐CAM R」。国内向けに販売が始まっているが、今後は海外での販売も視野に入れている。裁断スペースへの進入防止カバーを設けるなど、海外で必要になる仕様にも留意した。裁断の性能が向上しているため、自動車産業など精度が求められるカテゴリーへの浸透を考えている。従来モデルと並行して、幅広い顧客ニーズを取り込んでいく構えだ。

ブラザー工業は「NEXIO」シリーズから、 “水平釜”を採用した非アパレル向けの電子ミシンを提案

ブラザー工業は「NEXIO」シリーズから、
“水平釜”を採用した非アパレル向けの電子ミシンを提案


ブラザー工業はアパレルとノン(非)アパレル向けの製品を分けて、分かりやすい提案を心掛けた。デジタル技術を採用したミシンを展示し、IoTを絡めたテーマとして、「その一針から、革新へ。」というテーマを改めて設定、アピールしている。新製品の提案では「NEXIO」シリーズから、“水平釜”を採用した非アパレル向けの電子ミシンを出展した。高級ハンドバックやカーシートなど整った縫い目が要求される製品向けのモデル。量産型とは異なる切り口のアプローチである。

PEGASUSのデジタル技術を活用した半自動ミシン「WX600P」シリーズ。 「FHG」という自動で裾縫いができる装置を考案した

PEGASUSのデジタル技術を活用した半自動ミシン「WX600P」シリーズ。
「FHG」という自動で裾縫いができる装置を考案した


PEGASUSは、“脱技能”を主体にアパレルと非アパレル、2つの大きなテーマで提案した。人手不足を補い、安定品質を実現する目的で、デジタル技術を活用した半自動ミシン「WX600P」シリーズを出展した。「FHG」という自動で裾縫いができる装置を提案。Tシャツの裾など一定の技術を持ったオペレーターが必要な場面で、機能性を発揮する。

JUKIは定番の高速千鳥縫いモデル「LZ2284A」の改良機、 「LZ2284B」を開発

JUKIは定番の高速千鳥縫いモデル「LZ2284A」の改良機、
「LZ2284B」を開発


JUKIは定番の高速千鳥縫いモデル「LZ2284A」の改良機、「LZ2284B」を新たに出展した。今年2月から発売を開始したばかりの新モデルである。モーターを一体化し、さらに操作性を高めている。

ヤマトミシン製造は、フラットシーマに対応する 「FD-62SDLF-01MR」を提案

ヤマトミシン製造は、フラットシーマに対応する
「FD-62SDLF-01MR」を提案


ヤマトミシン製造は、ニット製品向けの脱技能を念頭に置いたフラットシーマに対応する「FD-62SDLF-01MR」を新たに提案した。良く伸びる縫い目が特長で、締め付けも少ない。ヨガなどスポーツ系ウエアにおけるニーズを想定している。そのほか、Tシャツの裾縫いにおいて閂止めの工程を削減する「EZH-B」モデルも出展した。

(樋口尚平)

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