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展示会レポート
第13回「JIAM 2024 OSAKA」国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市を開催

update: 2024/12/02

出展面積が拡大した 第13回「JIAM 2024 OSAKA」国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市

出展面積が拡大した
第13回「JIAM 2024 OSAKA」国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市

国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市「JIAM 2024 OSAKA」が11月27日から30日までの4日間、インテックス大阪を会場に開催された。コロナ禍の影響で前回の開催が2022年に延期されたため、今回は2年ぶりの変則開催となった。11カ国・地域からおおよそ150社・団体が参加した。前回より出展面積が拡大している。

規模が拡大、ノンアパレル分野も増加傾向に

今回で13回目を迎えた「JIAM」展示会。「JIAM 2024 OSAKA 国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市」が正式名称で、テーマは「JIAMから、つながる... ~次世代技術と匠の技のコラボレーション~」(主催、一般社団法人日本縫製機械工業会)。今回も前回同様、「VDMA」(ドイツ機械工業連盟縫製・皮革機械協会)、SPESA(the Sewn Products Equipment & Suppliers of the Americas=NPO米国縫製品機器およびサプライヤー協同組合)、「CSMA」(中国縫製機械協会)が特別協賛した。

アパレル向けの需要が伸び悩む中、ノンアパレル分野の開拓も盛んになってきた。新しい可能性を模索する一手段として、非繊維系の業界へのアプローチにも力が入っている。アパレル分野で培ってきたノウハウを活かし、切り口の異なる製品やサービスの開発が求められている。以下に主な出展企業の提案を取り上げる。

島精機製作所は、強化を進めている 自動裁断機「P-CAM」シリーズを提案

島精機製作所は、強化を進めている
自動裁断機「P-CAM」シリーズを提案

株式会社島精機製作所は、強化を進めている自動裁断機の新モデル「P-CAMR」をメーンに提案した。従来機種を全面リニューアルし、精度や耐久性、安全性など様々な個所の見直しを図った。生地を裁断する際の“歪み”を制御するセンサーの精度アップを図ったほか、裁断機を移動させる機構の強度も向上させている。ゴム製のベルトを金属製のラックとピニオン構造に変更し、耐久性を高めた。一度に裁断できる生地の厚みや幅が広がったほか、オプション受注だが裁断時に作業者がけがをしないよう自動の進入防止カバーを初めて開発・装着している。

ホールガーメントの横編機では、定番期首だった「SWG‐X」をリニューアルした「SWG‐XR」を出展した。編める幅も従来の124cmから144cmに拡大した。安定した品質を重視したため編成速度は遅くなったが、効率が25%向上したことで生産性が向上した。省エネにも貢献する。


PEGASUSは、縫製時の効率化を進める 「EX DIGITAL」システムをトライアルで出展

PEGASUSは、縫製時の効率化を進める
「EX DIGITAL」システムをトライアルで出展

株式会社PEGASUSは、縫製時の効率化を進める「EX DIGITAL」システムをトライアルで提案した。環縫いにおいて、1台のパソコンで複数のミシンを管理し、1台のミシンで異なる生地が縫製できるシステムを構築した。本縫いのシステムはすでに実用化されているが、環縫いを扱えるものは初めてだという。ユーザーの意見を聞きながら、実用化を目指す計画だ。

そのほか、製品管理のできる独自のアプリ「Pegmo」(ペグモ)も提案した。縫製工場の生産効率を管理し、生産や品質を安定させる目的のソフトだ。また、偏平縫いミシンに採用している油漏れを防ぐ装置「オイルバリア」も出展。効率性を高める一助の機能性をアピールした。


JUKIの本縫いミシンの新モデル 「DX‐01」

JUKIの本縫いミシンの新モデル
「DX‐01」

JUKI株式会社は、アパレルとノンアパレルの各分野で専用ブースを設け、アイテムごとに編集した。第2のブランド「JIN」の製品も改めて出展し、知名度向上を図った。主力の1つ本縫いミシンでは、新モデル「DX‐01」を提案した。


ブラザー工業、使用している ミシンの状態を確認できるシステム「DIGIFLEX TUNE」

ブラザー工業、使用している
ミシンの状態を確認できるシステム「DIGIFLEX TUNE」

ブラザー工業株式会社は、「その一針から、革新へ。」をテーマに掲げた。無縫製やアパレルの自動化に着目した展示内容。新たに提案したのは、使用しているミシンの状態を確認できるシステム「DIGIFLEX TUNE」(デジフレックス・チューン)だ。熟練工の技術を数値化することができる。

針の位置など各製品に適した設定を、デジタル画面を見ながら、その数値を調整する事ができるシステムだ。従来は個人のスキルに頼っていたミシンの調整を誰でも簡単に、しかも正確に設定することが可能になった。


ミマキエンジニアリングの 捺染顔料転写システム「TRAPIS」

ミマキエンジニアリングの
捺染顔料転写システム「TRAPIS」

株式会社ミマキエンジニアリングは、捺染顔料転写システム「TRAPIS」(トラピス)を提案した。手間のかかる捺染の作業を転写プリントに置き換え、省力化を図った点が大きな特長だ。転写機器は場所も取らず、排水処理の心配もない。また、捺染する生地の種類も選ばないという利点がある。従来の昇華転写プリントでは、使用できる生地がポリエステルに限られていた。

使用するインクと転写紙は専用のもの。仕上がりの生地が少し硬くなる点が今後の改善点だという。アパレルのほかにも、下着メーカーやカバン、インテリアなど、幅広い分野の顧客を開拓しようと考えている。                                    

(樋口尚平)

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