企業レポート
グンゼ、役員事業説明会──アパレル事業の構造改革を実施、2027年から成長フェーズへ乗せる
update: 2025/07/08
グンゼの役員が一堂に会して実施するメディア向けの事業説明会が7月2日、開催された。今年5月に発表された新しい中期計画を踏まえ、主要事業の取り組み内容が公表された。アパレル事業では、2026年までに構造改革を推し進め、2027年から成長フェーズへ乗せる計画だ。
新製品「アセドロン」が好調を持続
機能ソリューションや新規事業のメディカル事業は堅調な推移が続いており、収益にも大きく貢献するようになった。祖業であるアパレルは、物価高や買い控えが影響し、苦戦傾向にある。アパレルでは選択と集中を推し進め、収益性の高い事業体に再構築する構えだ。基礎収益力の向上を図るのが大きな目標である。
2025年3月期連結決算は増収、増益を達成した。「機能ソリューション」のほか、新規分野の「メディカル」が収益に貢献した。「アパレル」は増収したが、コスト高などの影響を受けて、減益に至った。
通年アイテム化した新製品の機能肌着「アセドロン」が今年6月、累計の販売着数が200万枚を突破し、順調な推移を続けている。しかしアパレル事業全体では、2024年度の売上高が607億8,200万円(1.1%増)と堅調な推移だったが、営業利益が7億5,300万円(48.6%減)と苦戦した。Eコマースでは、通年アイテムの「アセドロン」やレディスインナー「キレイラボ」が健闘したが、量販店などは残暑や売り場縮小の影響でメンズインナー等が苦戦した。円安や原価、人件費のコスト増が響き、減益に至った。
アパレル事業は効率性を追求するため、今年と来年は構造改革の時期に位置付ける。2年後の2027年度からは、再び成長軌道に乗せる計画だ。目標とする業績数値も減収・増益と、効率性の向上を目指している(別表を参照)。
(樋口尚平)