帝人グループ、役員懇親会──内川社長「課題解決の実行力を高めたい」
update: 2023/11/22
《企業レポート》
帝人グループの役員懇親会が11月20日、大阪市内で開催された。就任から2年目を迎えた内川哲茂(うちかわあきもと)代表取締役社長執行役員CEOは課題解決のための「実行力を強化したい」と来年の抱負を語った。
次の中期計画を見据え、組織力を再強化
前年に掲げていた「収益力の向上」は、「概ね計画通りに進んでいる」と分析。下期も目標の達成を目指して収益力向上に取り組んでいる。来年の課題には、「組織力を高めて、その実行力を向上させる」という目標を掲げた。コロナ禍やウクライナ紛争など、外部環境が大きく変化した影響もあり、改めて自社の強みやルーツを見つめ直し、変化の激しい今後の市況に対応して、成長軌道に乗っていく必要があると考えている。
自社に対する現状認識について内川社長は、「前よりも少し実行力を失ってしまったのではないかと感じている」と言及した。目標達成のためには、「今からこの実行力を高めておかなくてはならない」と感じている。
具体的には、各社員が価値観を共有することが大事で、その機会を設ける必要があると説明した。「社員のみんなと一緒に、自分たちが社会に存在する意義や価値観を共感してくれているかどうか?」を見極める必要があると感じている。
内川社長個人の経験では、2018年の創業100周年事業に携わった折、改めて自社の歴史に触れ、見直す機会があった。多くの事業を買収して企業体が大きくなってきた経緯のある同社。「帝人が大事にしている社会課題や目の前の課題を解決する姿勢は全事業で共通して持ち合わせている。その共通の価値観をきちんと描き出せれば、また成長して行けると感じている」と期待をのぞかせた。今後は社内の共通の価値観をしっかり描き出し、再度組織力を強化して「次の中期計画の実行力を高めて必ず実現できるようにがんばりたい」と語った。
2024年3月期第2四半期の「繊維・製品セグメント」の業績は、売上高1,585億円(0.0%)でほぼ前年並みだった。EBITDA(税引前利払前減価償却前利益)が108億円(25.8%増)と改善した。営業利益は70億円(38.0%増)と増益を達成した。衣料向け繊維や衣料品の北米やChina向けの販売が好調だった。国内向けの衣料品も好調を持続している。
(樋口尚平)