展示会レポート
シキボウ、2024年春 展示会──開催地を5つのエリアに拡大
update: 2024/04/11
シキボウは2024年春の展示商談会を拡大させ、東西5つのエリアで開催する。東京や大阪に加え、工場を構える江南や岡山などでも展示会を実施する。また今回は、「ユニフォーム、グローバル生産拠点、原料原糸」という3つのカテゴリーに集約した構成で、取引先との商談を重視した構成だ。
商談を重視、顧客との密なコミュニケーションを図る
同社の2023年度の繊維ビジネスは、売り上げはほぼ前年並みの推移で着地した模様だ。利益面は円安の影響もあり、やや苦戦傾向だという。しかし、中東向けなど海外ビジネスが好調に推移している。
今回の春の展示会は従来と趣向を替えて、「ユニフォーム、グローバル生産拠点、原料原糸」という3つのカテゴリーに集約した構成。背景には、コロナ禍で取引先と直接話し合う機会が減り、再度コミュニケーションを密にしたいという狙いがある。同時に開催地を5つに拡大し、積極的に製品提案に力を入れる構えだ。
提案した素材は、良き定番品が中心。強みにする綿関連では、精紡交撚糸「デュアルアクション®」やフェアトレードコットンなどを出展。起毛部分を糸でこしらえた起毛加工糸「ふわポップ®」、グループ企業の新内外綿が手掛けるパイナップルの葉を使った「パイナップルヤーン」など、差別化を図った素材を提案している。また、同社との協業素材も企画した。
フェムテック関連素材「ミチ®」では、産学共同で研究開発に取り組み始めたほか、新製品のヒントにするべく、自衛隊の女性隊員から意見収集も進めている。ユニフォーム向けの素材、「アゼック®」「COTTLIVE®」なども引き続き強化している。
グローバル生産拠点の提案では、今年1月に現地法人化したベトナム工場を1つの拠点にして、タイや台湾などの工場と横の連携を組み、きめ細かい対応ができる体制作りを進めている。アパレルや寝装など求められる分野に応じて、住み分けや差別化につなげるべく生産拠点を適宜、柔軟に活用する考えだ。国内市場はアッパーゾーンが中心になってくるが、ベトナム工場では同工場から第3国への出荷も視野に入れている。
全国5カ所で開催するのは初めての試みだが、すでに事前予約は順調に入っているようで、取引先の期待度も高いようだ。展示会の日程は、大阪展(4月10-12日)を皮切りに東京(4月17-19日)、愛知県・江南(4月23-25日)、岡山(5月15-17日)、福山(5月21-23日)と東西の5カ所において5月下旬まで順次、開催する。
(樋口尚平)