展示会レポート
シキボウ、秋展示会「SHIKIBO EXHIBITION 2024AUTUMN」──4つのカテゴリーで独自素材を提案
update: 2024/10/15
シキボウは、2024年秋の素材展示会「SHIKIBO EXHIBITION 2024AUTUMN」において、4つの異なるテーマのカテゴリーで、独自素材を提案した。昨今は必須の要素になっている“サステナブル”素材を意識し、機能性や風合いなど差別化できる独自の素材をラインナップした。
付加価値製品を海外市場へ提案
同社の2024年春夏(上期)シーズンの業績推移は、ほぼ横ばいで前年同期比並みだった。中東向けなど輸出ビジネスが堅調だった。今夏に開催されたパリオリンピックでは、UAE代表のウエア素材を初めて提供するなど、国外における露出度の向上や情報発信にも力を入れつつある。一方、ユニフォーム分野では、原価の値上げ傾向がようやく鎮静化してきたという。
今回の展示会は、4つの異なるテーマ──「サステナブル素材」「機能性素材」「おすすめ素材」「グローバル素材」で構成。最も力を入れたのは「おすすめ素材」である。大きな柱は2つだ。
1つ目は、国内の江南工場で加工するシルケット加工糸の「FISCO®」(フィスコ)で、本格的に海外市場の開拓に力を入れる。2つ目は「Fabphilia」(ファブフィリア)シリーズ。テキスタイルデザイナーの梶原加奈子氏に監修を依頼した商品群で、海外へ向けて独自の素材を提案する試みだ。「フィスコ」もこのシリーズ内で提案する。同社が得意とする天然素材を主体に、欧米のハイブランド向けの開拓を進める。
「サステナブル素材」では、綿由来の素材を非繊維製品向けにリサイクルする「CottResin®」(コットレジン)。回収した廃材や衣料を有効活用する仕組みで、セルロースのマイクロファイバーを配合して強度を向上させ、非繊維製品の材料として再利用する。
そのほか、新内外綿の企画による、裁断くずや“C反”、古着をリサイクルした再生素材「彩生」(さいせい)も引き続き提案している。また、ファッションブランド「ANREALAGE」(アンリアレイジ)との協業も継続。今回は「EMP「」Y」(エンプティ)という無地のTシャツを企画。BtoB向けのイベントアイテムとして発信した。
(樋口尚平)