株式会社島精機製作所
令和 6 年度全国発明表彰「発明協会会長賞」受賞
update: 2024/06/10
株式会社島精機製作所は、公益社団法人発明協会による令和 6 年度全国発明表彰において、「デザ インデータから編み上がり生地を高精度に表現するニット 3D シミュレーターの発明」により、「発明協会会長賞」および「発明実施功績賞」を受賞することが決定した。
記
1.受賞内容について
<発明協会会長賞 受賞者>
株式会社島精機製作所 開発本部 統括マスター 寺井 公一
<発明実施功績賞 受賞者> 株式会社島精機製作所 代表取締役社長 島 三博
2.本発明の概要
「デザインデータから編み上がり生地を高精度に表現するニット 3D シミュレーター の発明」により、ニット製品のデザインデータを使用して、実物のニット製品と同等レ ベルの高精度な CG 画像をシミュレーションで作成することが可能になりました。こ れまでニット製品の企画から販売までのフローにおいて、企画の段階でデザインの変 更と実物サンプルの試編みを何度も繰り返すため、試作品は廃棄され、素材などの資源 に多大な無駄が生じていました。また、商品化の決定までの期間も長く、正確な需要量 の予測が困難であるため、大量生産により大量の売れ残りが発生し、焼却や埋め立てな どの処分で環境に大きな負荷をもたらしています。
これらの問題を解決する手段として、実物の試作サンプルの代わりと成り得る高精 度な CG 画像をシミュレーションで作成し、商品化するデザインの決定などに活用で きる本発明を考案しました。
本発明により、ニットの編み地を簡単な 3D 物理モデルで表現し、演算を繰り返しお こなうことで、高価なコンピュータを使わなくても、凹凸のあるニットの編み地画像を シミュレーションで作成することができます。この画像を活用することで、ニット製品 の企画から販売における業務の負荷と資源の無駄を削減し、SDGs の達成やカーボンニ ュートラルの実現に貢献しています。
3. 表彰式
日時 2024 年 7 月 11 日(木)10:10~10:55
会場 The Okura Tokyo プレステージタワー1階「平安の間」
(東京都港区虎ノ門 2-10-4)
全国発明表彰について
日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に公益社団法人発明協会によ り 1919 年に創設された、日本を代表する研究者、科学者の功績を顕彰するものです。本発 明表彰は、各分野において多大な功績を挙げた発明、考案、又は意匠、あるいは、その優秀 性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明等に授与されます。また、発明実施功 績賞は、発明者が所属する企業や団体の代表者に贈られます。
参考 URL: https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/zenkoku/zenkoku.html
SHIMA SEIKIについて
株式会社島精機製作所(本社:和歌山市、社長:島三博)は、主力のホールガーメント® 横編機や、コンピュータ横編機、手袋靴下編み機からデザインシステム、そして自動裁断機 (NC 裁断機)の開発・製造・販売をおこなう繊維機械メーカー。各分野におけるメーカー ならではの経験とノウハウを活かし、ファッション業界に潜在するさまざまな課題に対し デジタルソリューションを通じてサステナブルなモノづくりを提唱する。
通常、商品企画段階で繰り返されるサンプリングに代わり、デザインシステムによるバー チャルサンプリングを活用することで、サンプル作成に掛かる時間・コスト・材料を大幅に 削減。一着丸ごと立体的に編み上がり、必要な糸しか使用しないホールガーメント®ニット ウェアとの組み合わせで、スマートでスピーディ、無駄のないサステナブルなモノづくりを 実現する。