シキボウ、4月総合展──テーマは「未来へ紡ぐStory」
“well‐beingの充実”とフェムテックに焦点
update: 2023/04/17
《展示館レポート》
シキボウは機能素材の4月展示会において、「未来へ紡ぐStory」のテーマで、“well‐being(健康、幸福)の充実”とフェムテックに焦点を当てた。定番の消臭加工機能「アニエール®」の進化版を新たに提案した。また、環境配慮型の機能素材にも力を入れた。
2022年度の素材ビジネスは増収、減益の傾向に
同社の素材部門の2022年度は増収減益の傾向で着地した模様。ユニフォームなどがコスト面で苦戦したが、中東向けのテキスタイル販売が円安の追い風もあり健闘した。カジュアルは停滞気味だった。
今回の展示会は自社単独の開催。前回はユニチカトレーディングとの共同展示会だった。「未来へ紡ぐStory」をテーマに、定番と新素材をシーンや用途別に編集し、提案した。今回の大きな柱は2つ。“well‐being(健康、幸福)の充実”と、レディスの新しい需要を想定したフェムテック関連素材「ミチ®」の商品群だ。
1つ目の“well‐being(健康、幸福)の充実”と名付けた提案では、定番の消臭加工機能「アニエール®」の進化版を新たに開発した。尿漏れ臭とストレス臭を抑える機能を持った2つの新製品を提案した。
環境負荷の低い機能性素材に注目が集まる
尿漏れ臭対策では、「スーパーアニエール®P(ピー)」を開発。臭いの成分を科学的に中和する機能と、物理的に吸着する2つの機能性を付加した。ストレス臭対策の「スーパーアニエール®S(エス)」はストレスがかかることで発生する特有の臭いを中和、吸着する2つの機能性を持つ。
フェムテック関連素材「ミチ®」は既存製品に加え、新たに「磁気治療器」を提案した。肩コリをほぐす製品を製造するピップ社との協業品で、同社が開発した磁石を「ミチ®」のテキスタイルと組み合わせたレディス向けインナーを企画した。
そのほか、環境に配慮した機能素材の反応が良いようだ。生分解性ポリエステル素材の「ビオグランデ®」。また、グループ企業の新内外綿が手掛ける、裁断後の余った端切れなどを回収、再加工し、糸にした「彩生®」にも注目が集まった。
協業を続けるファッションブランド「アンリアレイジ」との取り組みでは、企業のユニフォームをデザインする企画を新たに提案した。同ブランドがデザインしたその企業限定のユニフォームを提供する試みだ。
(樋口尚平)