展示会レポート
シキボウ、テキスタイル&ヤーン展──生成AIを活用、完成品のイメージを展示
update: 2025/04/14
シキボウは素材展「2025年4~5月 シキボウ展示商談会」において、「テキスタイル&ヤーン EXPO」と題し、ユニフォームおよび原糸の各製品を提案した。協業を続けるデザイナーブランド「アンリアレイジ」がデザインした日本国際博覧会(大阪・万博)のNTTパビリオンスタッフのユニフォームも特別に展示している。
万博・NTTパビリオンスタッフのユニフォームも特別展示
春の展示会では、ユニフォームおよび原糸に焦点を絞り、出展製品を構成している。今回は初めての試みで、生成AIを用い、各素材を採用したアパレルの完成品のイラスト画と一緒に展示、提案を行った。素材のサンプル、その素材と特長、生成AIのイラスト画をセットにし、来場者が分かりやすく工夫している。
また、4月13日に開幕した日本国際博覧会(大阪・万博)のNTTパビリオンスタッフのユニフォームも特別に展示。協業を続けるデザイナーブランド「アンリアレイジ」がデザインしたウエアで、シキボウの良き定番素材「AZEK®」(アゼック)を採用している。凹凸のある通気性に優れた素材で、万博の夏場の熱い環境を想定している。
原糸関連では、シルケット加工糸「FISCO®」(フィスコ)を継続して提案。国内の生産拠点、江南工場で加工しており、海外市場の開拓を本格化している。また、生分解性ポリエステル素材「BIOGRANDE®」(ビオグランデ)も定番化してきた。分解はバクテリアが行うため、通常の保管環境では品質を保てる点が特長だ。過去1年間で徐々に納品実績が増えつつある。
春夏シーズンを意識した芯鞘構造の機能糸「クイックドライコットン®」も継続提案している。芯の部分に異型断面のポリエステル、鞘の部分に綿を使用した複合糸だ。吸水速乾性が特長である。
ユニフォームでは、台湾の拠点で生産する素材を提案した。エンボス加工を施したトリコットなど、ユニフォームに求められる耐久性を訴求している。また、江南工場で加工した微起毛(ピーチスキン)生地「クリムス®」も出展した。
グループ企業、新内外綿のコーナーでは、トルコ・イズミール産のオーガニック・コットンを提案した。生産者で遡れるトレーサビリティーが特長の1つだ。そのほか、カキの貝殻を練り込んだ「SEAWOOL」も展開。保温性がセールスポイントである。
(樋口尚平)