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ファーストリテイリング・しまむら、四半期決算まとめ

update: 2018/07/23

《財務分析レポート》

ファーストリテイリング・しまむら、2018年度 四半期決算まとめ(表1)

ファーストリテイリング・しまむら、2018年度 四半期決算まとめ(表1)

国内で有力なアパレルSPA企業であるファーストリテイリング(FR)としまむらの四半期決算が出揃った。FRは8月期、しまむらは2月期と決算期には半年の差があるが、2018年春夏商戦に該当する四半期(3-5月)の商況を比較する一助にはなるだろう。

「ユニクロ」が国内外ともに好調、海外事業もけん引役に

FRの主力業態「ユニクロ」が国内外ともに好調な推移だった。FRの第3四半期決算は売上収益が1兆7,041億円(15.3%増)と2ケタの増収だった。売上高総利益率(粗利率)も49.9%(0.8ポイント増)と改善した。販管費率が下がったこともあり、営業利益が2,388億円(32.3%増)と2ケタの増益を達成。税引前利益も四半期利益もそれぞれ2ケタ増を達成した(表1を参照)。

FRの増収・増益に貢献したのは、主力業態の「ユニクロ」だ。国内は売上収益が2,107億円(6.3%増)、営業利益が313億円(31.3%増)と増収・増益。成長著しい海外では、売上収益が2,086億円(23.7%増)、営業利益が316億円(63.7%増)と増収・増益だった(表2を参照)。第3四半期(3-5月)の3カ月間のみの比較だが、海外の収益が国内とほぼ同規模になっている。

国内ユニクロ事業の第3四半期(3-5月)の既存店売上高は、前年同期比5.4%増と堅調な推移だった。3-4月は夏物の動きが良く好調に推移した。5月は気温の低下で苦戦傾向だった。ジーンズやスカートなどボトムスが客単価増(4.9%増)に貢献した。Eコマースの売り上げは164億円(33.1%増)と2ケタの成長だった。売上比率は7.8%(1.6ポイント増)に上昇した。粗利率も49.2%(0.7ポイント増)で、計画値を上回った。

海外ユニクロ事業では、「グレーターチャイナ」の第3四半期(3-5月)の既存店売上高が2ケタ増になるなど、計画を上回る増益を達成した。韓国や東南アジア・オセアニアも、同様に計画を上回る増益だった。北米では、米国の赤字幅が縮小。欧州は計画を上回る増収・増益だった。

しまむらは伸び悩み

ファーストリテイリング・しまむら、2018年度 四半期 部門別売上高(表2)

ファーストリテイリング・しまむら、2018年度 四半期 部門別売上高(表2)

そのほか、「ジーユー」は売上収益が608億円(3.3%増)、営業利益が59億円(20.0%減)で、増収・減益とやや苦戦した。春夏のキャンペーン商材──マドラスチェックのボトムスやトップス、ロンスカートなどの商品が苦戦した。品番数が増えたことで、柄もののシャツ・ブラウス・ワンピース、ハイウエストのストレートジーンズなどの売れ筋商品が欠品した。

一方、国内主体のしまむらは、主力業態の「しまむら」が伸び悩んだ。売上高は1,376億円(0.3%減)と微減収だった。粗利率は32.5%(1.3ポイント減)と減少した。販管費率が27.5%(4.0ポイント増)と増加し、収益性が悪化した。

営業利益は71億7,500万円(31.7%減)と減益に至った。経常・四半期の各利益も2ケタの減益となった。業態別の売上高では、主力の「しまむら」が1,052億円(1.6%減)とやや減収した。「アベイル」は129億円(1.2%減)と伸び悩んだ。「バースデイ」は151億円(8.2%増)、「シャンブル」が26億円(2.9%増)と健闘した(表2を参照)。

(樋口尚平)

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