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三陽商会、新業態「SANYO ESSENTIALS」で取り組む“ものづくり”を重視したブランドの再構築

update: 2021/10/11

《企業レポート》

「商品の背景やストーリー性など 付加価値を求める顧客が増えてきた」 と語る羽田野貴紹部長

「商品の背景やストーリー性など
付加価値を求める顧客が増えてきた」
と語る羽田野貴紹部長

三陽商会が新業態の「SANYO ESSENTIALS」(サンヨー エッセンシャルズ)において、“ものづくり”を重視したブランドの再構築に取り組んでいる。同社のルーツであるコートブランド「SANYOCOAT」(サンヨーコート)と、「素材・デザイン・縫製」にこだわったレディス「S.ESSENTIALS」(エス エッセンシャルズ)で構成する複合型店舗として、多店舗化を進めている。

変化する顧客ニーズを意識、背景やストーリー性を付加

ブランド複合型店舗の 新業態「SANYO ESSENTIALS」 (阪神梅田本店ショップ)

ブランド複合型店舗の
新業態「SANYO ESSENTIALS」
(阪神梅田本店ショップ)

ブランド複合型店舗の「SANYO ESSENTIALS」は、今年3月に立ち上げた。社名の三陽(SANYO)の頭文字“S”から導いた3つのストアコンセプト「Speciality」「Story」「Sustainable」を基に、ショップや商品を構成した。同社のルーツであるコートブランド「SANYOCOAT」に加え、「素材・デザイン・縫製」にこだわった自社のオリジナルブランド「S.ESSENTIALS」で新しい価値観を提供する。「日本橋髙島屋S.C.」に出店していた「S.ESSENTIALS」の既存店も「SANYO ESSENTIALS」に刷新した。

同社の事業本部、羽田野貴紹 コーポレート・エコアルフビジネス部長は新業態の立ち上げの経緯について、「創業のルーツである『SANYOCOAT』と共に、日本橋髙島屋S.C.の『S.ESSENTIALS』店舗を再度、やり直そうと考えたことがきっかけになった。品質だけではなく、その背景やストーリー性といった新しい付加価値を商品に求める顧客が増えてきた事が大きな理由だ」と説明する。

こうした顧客ニーズの変化をとらえて、3つの“S”のコンセプトを基にした新業態を立ち上げるに至った。加えて、時代背景を考慮し、「サステナブル」の要素も企画に盛り込んだ。創業当時からの“ものづくり”の精神を、顧客の要望を考慮して解釈し直した形だ。「SANYOCOAT」では“100年コート”などの主力商品を扱う。「S.ESSENTIALS」では、日本製の「ほんとうにいいもの」を追求した大人のウエアを提供する。

主要都市への出店も視野

「SANYOCOAT」と「S.ESSENTIALS」の 2ブランドで構成する

「SANYOCOAT」と「S.ESSENTIALS」の
2ブランドで構成する

現在の店舗数は、日本橋髙島屋S.C.とジェイアール名古屋タカシマヤ、10月8日にオープンした阪神梅田本店のショップを併せて3店。既存店の売上推移は概ね計画通りだという。主要な顧客層は30-60代の女性で、幅広い年齢から支持を集めている。ブランド比率は「SANYOCOAT」が約30%、「S.ESSENTIALS」が70%。秋冬シーズンはコート比率が少し高くなる。アイテム比率はアパレルが90%、雑貨類が10%。雑貨は国内の作家達と協業したセレクト商品だ。

「S.ESSENTIALS」で扱うアパレルはブラウスやシャツ、パンツ、ワンピースなどが主力アイテムの1つ。綿素材をベースにした定番品も企画している。同社の“ものづくり”に共感してもらえるような商品企画を大事にしている。「顧客ニーズが『かわいい、色がきれい』といった見た目のだけでなく、『日本製なのか、地産地消につながるか、サステナブルな製品か』といったその背景にまで着目して商品を選ぶようになっている」(羽田野 部長)。

同業態は自社のECサイトでも商品を販売しているが、福岡や札幌など全国の主要都市へリアル店舗の出店も視野に入れる。出店立地は百貨店にこだわっておらず、「ブランドのコンセプトに合致した立地」(羽田野 部長)を選ぶ考えだ。                                    

(樋口尚平)

三陽商会、新業態「SANYO ESSENTIALS」で取り組む“ものづくり”を重視したブランドの再構築

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