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ファーストリテイリング、2020年8月期本決算
コロナ禍で減収減益となるも、利益を確保

国内ユニクロ事業は増益を達成した

国内ユニクロ事業は増益を達成した

「ユニクロ」や「ジーユー」などカジュアルアパレル業態を展開するファーストリテイリング(FR)の2020年8月期本決算は、コロナ禍で減収減益となるも、当初予測を上回った。同業他社が損失を計上して苦戦する中、FRは利益を確保した。「ジーユー事業」も増収と健闘した。

国内ユニクロ事業は増益を達成

 ファーストリテイリング、2020年8月期 財務数値一覧(表1)

ファーストリテイリング、2020年8月期
財務数値一覧(表1)

連結の売上収益は2兆88億4,600万円(12.3%減)と2ケタの減収。「ジーユー事業」を除き、各セグメントでいずれも減収となった。主力の一角、「国内ユニクロ事業」は第4四半期(6-8月)の売り上げが計画よりも大きく回復したことが、収益を押し上げる要因となった。売上収益は8,068億円(7.6%減)、営業利益は1,46億円(2.2%増)と増益を達成した。ECビジネスは下期(3-8月)に大きく成長し、通期では29.3%増の2ケタ増となった。

海外ユニクロ事業は、コロナ禍で減収減益となった。売上収益は8,439億円(17.7%減)、営業利益は502億円(63.8%減)。「Greater China」(グレーターチャイナ)の回復が想定よりも速かったため、計画値は上回った。

ファーストリテイリング、2020年8月期 グループ事業別・地域別業績(表2)

ファーストリテイリング、2020年8月期
グループ事業別・地域別業績(表2)


「ジーユー事業」は売上収益2,460億円(3.1%増)と増収を達成した。営業利益は218億円(22.5%減)の減益だった。上期は既存店売上がプラスで推移するなど好調だったが、下期はコロナ禍の影響を受けた。第4四半期は順調に回復し、前年同期比で2.2%増と健闘した。

FR、しまむらが収益で健闘見せる

主要アパレルSPA4社 財務数値一覧(表3)

主要アパレルSPA4社
財務数値一覧(表3)

FRの本決算開示に合わせて、同社と近しい業態――SPAを手がける主要アパレル企業3社の最新の決算結果を比較する。対象はFRのほか、しまむら、INDITEX、H&Mの計4社だ。しまむら以外は国際会計基準、決算期もそれぞれ異なる。2020年春夏商戦が決算対象期に該当するため、春夏シーズンを主体に比較する。

INDITEX及びH&Mは欧米市場が主体で、日本の売上額は大きくない。「Greater China」の売上比率は高まっている。「ZARA」業態などを展開するINDITEXの第2四半期は2-7月までが対象で減収、損失計上となった。8月以降は回復基調にあるが、第3四半期以降の決算開示でその程度が明らかになる。

H&Mは第3四半期(12-8月)が最新の決算。INDITEX同様に減収、損失計上という結果だった。第3四半期(6-8月)の3カ月を見ても、売上収益は19.0%減と苦戦した。主力市場の欧米マーケットの売り上げの回復が遅れている。「Russia」(ロシア)、「Switzerland」(スイス)は増収を達成した。期末の店舗数は5,043店(退33)。一方、「Japan」(日本)のビジネスは、売上収益が3.7%減。店舗数は112店(出3)。

しまむらの第2四半期(3-8月)は減収増益と健闘した。販管費を低く抑えられたことが収益の回復に貢献した。概して、FRとしまむらが、収益面で健闘を見せた。ただし、現在揃えられる決算数値が期中のもののため、秋冬商戦の終了を待たないと明確な結果は見えてこない。INDITEX及びH&Mの財務状態は安定しているため、足元の深刻な懸念材料はないと考えられる。リアル店舗の売上回復が、1つの着目点だろう。

(樋口尚平)

ファーストリテイリング、2020年8月期本決算 コロナ禍で減収減益となるも、利益を確保

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