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帝人フロンティア、“身体の動き”をデジタルデータ化するプラットフォーム「MOTIONBANK PROJECT」を本格スタート
2025年度に売り上げ20億円を目指す

update: 2021/02/01

《企業レポート》

“身体の動き”をデジタルデータ化するプラットフォーム 「MOTIONBANK PROJECT」ノーイメージ

“身体の動き”をデジタルデータ化するプラットフォーム
「MOTIONBANK PROJECT」ノーイメージ

帝人フロンティアが2月1日から、ストリートダンスを中心としたイベント企画や映像制作を手掛ける株式会社アノマリー(東京)と協業し、身体の動き”をデジタルデータ化するプラットフォーム「MOTIONBANK PROJECT」(モーションバンク プロジェクト)を本格スタートする。いわゆる“ウエアラブル”技術を応用したサービスで、“身体の動き”を三次元で記録し、ソフトとして有料提供するビジネスの確立を目指すほか、一流スポーツ選手や熟練工の“動作”を記録して、技能の継承にも役立てる構想だ。

ダンサーの動きを記録、著作権を取得し有料で提供

帝人フロンティアのウエアラブル事業の検討は2010年にスタートした。2019年にウエアラブルシステム「MATOUS®」(マトウス)を開発。本格的に市場投入の道を模索し始めた。2月からは、自社開発したウエアラブルのゴルフスイングレッスン機器「MATOUS GOLF」(マトウス ゴルフ)の販売を開始する。

“身体の動き”をデジタルデータ化するプラットフォーム「MOTIONBANK PROJECT」は、「MATOUS®」とは別の事業展開を考えている。ウエアラブル技術の実用化を模索する中で出会ったアノマリー社とは2016年、「モーション技術、将来のデータ活用構想」という方向性が一致。共同でビジネス化する道を検討し始めた。

こうした経緯で形になったのが「MOTIONBANK PROJECT」だ。アノマリー社が収集したダンサーの動画を記録、著作権を取得し、有料で販売するというビジネスモデルである。動画の収録に帝人フロンティアのウエアラブル技術が応用されている。

一流スポーツ選手や熟練工の“動作”も記録が可能に

当プロジェクトの最初のサービスはダンサーの動画だが、今後は一流スポーツ選手や熟練工など様々な“動作”を記録したデータを活用する事も視野に入れている。その一例が、野球のトレーニング。プロ野球のピッチャーが自身のベストのフォームを計測・記録しておき、調子が落ちた時の参考にする、トレーニング内容に採り入れるという応用も考えられる。

また、縫製工場など熟練工の動きをデータ化し、技術の伝承や職人の育成に活用できる可能性もある。人材不足や機械化が進んだことで、熟練技能者の技術の継承が課題になっている面がある。こうした現場の課題を解決する一助として、このウエアラブルシステムが活躍できる余地がある。

すでに熟練工を対象に、目の動きなども含めた動画を記録し、データ化する試みが始まっているという。将来的には技術力や高効率の作業をサポートするソフトの提供も不可能ではない。2025年度には両社併せて、売上高20億円を目指す。                                    

(樋口尚平)

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