ファーストリテイリング、しまむら、ハニーズHD 決算まとめ
17年秋冬商戦はFRが好調な推移
update: 2018/01/29
《財務分析レポート》
国内の主要SPA企業であるファーストリテイリング、しまむら、ハニーズホールディングス(HD)の決算をまとめた。2017年秋冬商戦はファーストリテイリング(FR)が、海外ユニクロ事業が健闘したこともあり、好調な推移だった。しまむらは苦戦傾向だった。ハニーズHDは、国内は堅調だったが、海外ビジネスが苦戦した。
FR、海外ユニクロ事業が好調に推移
3社の決算期がそれぞれ異なるため、秋冬商戦を主体とした参考レポートとして認識されたい。FRは第1四半期、しまむらは第3四半期、ハニーズHDは第2四半期である。FRは海外ユニクロ事業が収益のけん引役になったこともあり、2ケタの増収・増益を達成した。売上規模で、国内ユニクロ事業をわずかに上回った(表2を参照)。海外ユニクロ事業が国内を上回るのは初めてだ。国内ユニクロ事業も増収増益と堅調な推移だった。
ジーユー事業も増収増益と堅調に推移した。既存店ベースでは、防寒の実需品が不足したため、前年を下回った。「ユニクロ」業態も「ジーユー」業態も概して、秋冬商品の後押しが大きかった。
グローバルブランド事業は増収増益。セオリー事業が増収増益、コントワー・デ・コトニエ事業は減益だった。プリンセス タム・タム事業とJ Brand事業は前年並みの赤字だった。
しまむら、第3四半期は苦戦傾向に
しまむらは主力の「しまむら」業態がやや苦戦した影響で、微減収・減益に至った。第3四半期(9-11月)の3カ月間が減収減益と苦戦した(表1を参照)。売り上げの大部分を占める「しまむら」業態の苦戦が大きかった。「アベイル」はほぼ前年並みの推移。「バースデイ」は2ケタ増と健闘した。「シャンブル」も堅調な推移だった。
ハニーズHDは、海外事業の苦戦が収益の足を引っ張った。国内は堅調な推移だった。主力業態の1つ「シネマクラブ」が大幅な増収を達成した。「コルザ」「グラシア」は苦戦した。
(樋口尚平)