グンゼ BtoBサイト「GUNZE SOLUTION PROJECT」を開設
既存の機能・技術を体系的に紹介
update: 2015/06/11
グンゼが5月11日、BtoBサイト「GUNZE SOLUTION PROJECT」(グンゼ ソリューションプロジェクト)を開設した。今まで十分に活用されていなかった様々な機能技術や素材などを企業向けに紹介するウェブサイトだ。運営開始から3週間が経過したが、すでに数社からの問い合わせがあった。
“エジソンプロジェクト”の一環としてスタート
このサイトは、グンゼが策定している中期計画に基づく取り組みの一環だ。新規事業の開発を目的にした「エジソンプロジェクト」における試みの1つである。肌着から派生した技術で、現在はプラスチックフィルムや医療品などビジネスの多角化が進んでいる。立ち上げ・運営を担当したのは経営戦略室。同室ではいくつかのグループを作り、各事業部のサポートに当たる。新規事業のサポート業務もその1つだ。
過去、蓄積された機能や技術が製品開発へ十分に活かされていなかった面があったようだ。同社は事業部制を採っていて、部署を“またぐ”と業界やビジネスの形態が全く異なる点もあり、社内横断型のBtoB向けの発信が不十分だったという。そこで、「グンゼから出てくる機能をいかに顧客(企業)へ伝えるかを考えた」(グンゼ、経営戦略部 経営戦略室、永井義之氏)。
ウェブサイトを選んだ理由は、ロングテールで検索が可能なため。「技術を見せる機会がなかったので、そういう場を作りたかった」(永井氏)。2013年12月ごろから構想を練り始め、昨年度から本格的に動き始めた。前述の通り、事業部を横軸でまとめる作業のため、様々な苦労があったようだ。企業秘密の技術もあるため、「どこまで公開していいのか、線引きが難しかった」(永井氏)という。
展示会との連動も模索
BtoBサイト「GUNZE SOLUTION PROJECT」の特徴は、既存の機能・技術を体系的に紹介している点だ。アパレル、プラスチック、医療など事業部に限定せず、「分野」「機能」「技術」別に体系立てて紹介している。樹脂加工の種類とその機能や効果、同じく繊維に関する加工、機能性の説明を分かりやすく表にまとめている。
開設から約3週間で、すでに数件の問い合わせがあった。繊維系や包装関連の問い合わせがあった。対象は企業の技術者や研究者だが、具体的に商談が進み始めたケースもあるようだ。
当サイトの開設は、思わぬ相乗効果をもたらしている。研究担当者は営業経験がほとんどないため、BtoBの仕事の進め方を知らないスタッフが多いそうだが、今回のサイト立ち上げにより、現場が対外的な交渉の場に着くことが増えてくる。社内の意識を変える効果も期待できるようだ。「これからが大変で、継続的なリニューアルも必要」と語る永井氏。リアルの展示会との連動など、様々な検索数の増加策を模索している。
(樋口尚平)
「GUNZE SOLUTION PROJECT」:サイトアドレス http://tech.gunze.co.jp/