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「ルクア イーレ」
「蔦屋書店」が加わり、フルオープン

update: 2015/05/11

「梅田 蔦屋書店」。 広々とした店内に 整然と並べられた20万冊の蔵書

「梅田 蔦屋書店」。
広々とした店内に
整然と並べられた20万冊の蔵書

大阪・梅田の商業施設「ルクア イーレ」9階に5月8日、「梅田 蔦屋書店」が開店した。4月2日にグランドオープンした同施設だが、9階の開業が遅れていた。今回の開店で全館がフルオープンしたことになる。グランドオープンから1カ月の推移も売上高が前年比50%増の約66億円と好スタートを切った。

1カ月で約720万人、約66億円の実績

「梅田 蔦屋書店」。 店内の一角にあるカフェ・飲食テナント 「ル・ガラージュ」

「梅田 蔦屋書店」。
店内の一角にあるカフェ・飲食テナント
「ル・ガラージュ」

4月2日から30日までの約1カ月の売上推移は、「ルクア大阪」(旧本館、現東館)と旧JR大阪三越伊勢丹の合計に対し、約66億円で、約50%増の推移だった。来館者数は前年同期比で約720万人、約60%増で、好調なスタートを切った。

4月27日には「ウルフギャング・ステーキハウス 大阪店」が10階にオープンし、「梅田 蔦屋書店」ですべてのテナントが出揃った。平日は主婦層や会社帰りのビジネスパーソンの利用が多く、週末は遠方からの来館客が増える傾向があるという。グランドオープン直後ということもあり、おしなべて幅広い客層が訪れているようだ。

「梅田 蔦屋書店」。 旅行案内窓口「JTB」も設けている

「梅田 蔦屋書店」。
旅行案内窓口「JTB」も設けている


特に関心の高いフロアが2階部分。雑貨関連テナントを集積した伊勢丹の売り場が核になっていて、ルクア東館やJR大阪駅と連絡通路でつながっている「ルクア イーレ」の玄関口である。

ルクア東館への相乗効果も表れている。特に、連絡通路のある5階や7階における回遊性が高まっているようだ。売り上げへの買い回り効果も出ているという。

時間滞在型を狙った9階フロア

「梅田 蔦屋書店」。 寛げるスペースも充実

「梅田 蔦屋書店」。
寛げるスペースも充実

カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する9階の「梅田 蔦屋書店」は時間滞在型を狙ったテナントだ。9階フロア全面を使った売り場は、書籍コーナーを中心にして、飲食やカフェ、オーディオ機器、旅行窓口、ヘッドスパ・ヘアカラーなど美容関連のサービスを提供する「Cu by uka 梅田店」など7つのテナントで構成する。面積は約1,000坪。3棟で構成する東京・代官山店の1,205坪よりは小さいが、500席の椅子と机を設置して、ゆっくりと時間を過ごせる工夫がなされている。

メーンターゲットは30-40代の働く世代。女性や年配層もターゲットにする。事前の調査で、カフェの需要が多かったため、「スターバックス」や「ル・ガラージュ」など、飲食関連のテナントも充実させた。一番の特徴は、フロア中央に設けられた楕円状の「マガジンストリート」。全長155mの本棚には、文学・人文・古書・デザイン・アート・ファッションなど、既存とは異なる編集で書籍が並べられている。

「ルクア イーレ」。 人気を集めている2階フロア

「ルクア イーレ」。
人気を集めている2階フロア


「梅田 蔦屋書店」の事業部長兼館長で、カルチュア・コンビニエンス・クラブの小笠原寛 CCCデザインカンパニー 執行役員は同店について、「本を売るという気持ちより、生活を提案するという意識の方が強い」と説明する。梅田商圏内に集まる既存書店との競合はあまりないと見ている。売り上げに占める書籍の比率も未知数だという。ライフスタイルを提案するというコンセプトが「ルクア イーレ」と合致しており、9階フロアへの集客力による全館へのシャワー効果も期待できる。

(樋口尚平)

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