近鉄百貨店「Hoop」
リニューアル後も好調に推移
update: 2014/06/19
近鉄百貨店が運営するファッションビル「Hoop」(フープ)が4月25日のリニューアルオープン後、好調に推移している。1階フロアに新規導入したライフスタイル型ショップ「フリークスストア」などの相乗効果が表れ、既存店も健闘している。
25-30代中心にカップル客も増加
従来の「Hoop」は20-30代のファッションに関心のある女性客が多かった。今春のリニューアルを機に男性客も増やし、カップル客の来館を増やすことに焦点を当てた。1階フロアに「フリークスストア」「サロン アダム エ ロぺ」「キルフェボン」を導入。4階にはバッグの「マンハッタンホーテージ」、最上階の6階には雑貨とカフェも展開する書店「スタンダードブックストア」が新たに出店した。
1階には「ビームス」「トゥモローランド」といった有名セレクトショップが出店している。2階には「バナナ・リパブリック」のほか「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」「ナノ・ユニバース」「アーバンリサーチ」など有力ショップが集積する。3階には「ギャップ」のほか、「アディダスオリジナルスショップ」「オニツカタイガー」などスポーツ関連ショップや「ステューシー」「デニム&サプライ ラルフローレン」といったカジュアルショップが展開する。
4階は「マンハッタンホーテージ」のほか「ビルケンシュトック」「クラチカ」など雑貨類。5階は「ABCマートメガステージ」「サッカーショップKAMO」といったスポーツショップを集積する。6階は「スタンダードブックストア」や「タワーレコード」「カワチ」という大型の専門店で構成した。
リニューアルオープン後は概して40%増で推移。6月も2ケタ増を持続している。1階フロアに限らず、各階で売り上げが伸びており、リニューアル効果をうまく取り込んでいる。カップル客のほか、インバウンド(海外からの観光客)需要も新たに取り込めているようだ。5階フロアを中心に、今後の顧客として期待できる学生層の利用も増えた。
隣接するライフスタイル提案をコンセプトにするファッションビル「あべのand(アンド)」にも相乗効果が表れている。「Hoop」のリニューアルオープン後は客数が15%増え、売り上げも10%増加した。近鉄百貨店ではかねて、「あべのハルカス」内の「近鉄本店」と「Hoop」「あべのand」の3館で幅広い客層を取り込む体制を整えてきた。「Hoop」の改装が完了したことで、ようやく理想の3館体制が構築できたようだ。
「Hoop」の売上目標は、開業初年度に達成した120億円を目指している。
(樋口 尚平)