グンゼ、2017年3月期 連結決算
アパレルが復調、増収増益に
update: 2017/05/15
《財務分析レポート》
グンゼの2017年3月期(2016年度)の連結決算は、主力事業のアパレルが復調し、増収増益を達成した。インナーウエア及びレッグウエアが健闘した。固定資産売却益の計上や前期のデリバティブ評価損がなくなったこともあり、経常利益が大幅に増加した。最終損益も黒字を回復した。
インナー・レッグ共に健闘
連結売上高はやや減少したが、利益率が向上した。売上高総利益率(粗利率)が2.6ポイント増と改善したことで、営業利益が2ケタ増と好調な推移だった。販管費率も増加したが、粗利率の増加が吸収した。
アパレル事業の売上高は716億円(5.1%増)、営業利益が25億円(12.2%増)と好調に推移した(表2を参照)。メンズでは、ECなど新規チャネルが貢献したほか、「ボディワイルド」も新販路が拡大した。レディスでは「キレイラボ」「トゥシェ」がけん引役になった。そのほか、レッグ分野では「サブリナ」の定番拡大が貢献した。タイツは暖冬の影響を被った。
財務面は安定している。有利子負債が減少し、自己資本が増加したため、D/Eレシオが改善した。商品回転率は3.3とほぼ前年並み。資本回転率も前年並みだった(表1を参照)。“前売り”の改善が大きく、通期でもアパレルは増収増益を計画している。
当期(2017年3月期)は中期経営計画の3年目に該当する。ROA(総資産営業利益率が対象)およびROEの目標には到達しなかった。セグメント別の収益では、アパレル事業が目標値をクリアしたが、機能ソリューション及びライフクリエイト事業が下回った。
通期の業績見通しは、連結売上高1,380億円、営業利益43億円。中計の最終年度=2020年度(2021年3月期)には、連結売上高1,500億円、営業利益80億円、ROE5.0%以上を目指す。
(樋口尚平)