顧客層の拡大狙う大丸松坂屋百貨店と、
保守ブランドをそろえたJR大阪三越伊勢丹
update: 2011/02/01

大丸7階増築部分
百貨店激戦区となる大阪・梅田地区。大丸梅田店とJR大阪三越伊勢丹の概要がこのほど発表された。来年に阪急梅田店が増床オープンすると阪神も加えての4店舗によるサバイバルレースが始まる。
大丸松坂屋百貨店は、3月16日に増床部分がオープンし、4月19日に全館グランドオープンとなる。売り場面積は現在、約4万平方メートルだが、増床部分の2万4000平方メートルが加わり、合計6万4000平方メートルとなる。また初年度売上高はテナント部分(面積比15%を占める)の不動産賃貸収入を含めて670億円を見込む。テナント部分の売上高を含めると売上高は760億円と見込む。
一方、5月4日に開業するJR大阪三越伊勢丹は、地下2階から地上10階まえの売り場総面積は5万平方メートル。初年度売上高は550億円を、年間客数は3000万人を見込む。
大丸梅田店は、顧客層の拡大を挙げており、従来の百貨店顧客に向けては特選ブランドを拡充するとともに、リーズナブルプライス顧客を獲得するために「ユニクロ」「東急ハンズ」「うふふガールズ」を導入する。
JR大阪三越伊勢丹は隣接直結するファッションビル「LUCUA」との補完を前提にブランドをそろえた印象がある。ヤングが好むセレクトショップやブランドは「LUCUA」に入店しており、JR大阪三越伊勢丹は保守的な従来型百貨店ブランドを集積したといえる。
ジェイアール西日本伊勢丹の松井達政社長は「大丸が増床し、来年阪急も増床オープンする。阪神も根強いファンが多い。梅田は日本一どころか世界一の激戦区。その中で当店は面積が一番小さい。かなりハードな戦いになるだろう」と分析する。
4店舗によるサバイバルレースはどこが生き残るのだろうか?
(ファッションライター:南充浩)

JR大阪三越伊勢丹

大丸松坂屋百貨店 左・山本良一社長、右・村田壮一店長

大丸4階増床部分