財務分析
INDITEX 2016年1月期 第2四半期 連結決算
全業態がプラスに、増収増益を達成
update: 2015/09/24
「ZARA」や「Bershka」「Stradivarius」などカジュアルSPAブランドを展開するINDITEX(インディテックス)社の2016年1月期 第2四半期 連結決算は、営業収益が94億2,100万ユーロ(1兆2,718億3,500万円、1ユーロ約135円で換算)、16.5%増と2ケタの伸びを達成した。主力の「ZARA」を中心に、全業態で増収だった。「アジアその他地域」と「米州」の売上比率が高まっている。
販管費減、利益率が増加
INDITEX社の店舗展開は世界規模で継続されている。連結全体では16.5%増と2ケタの伸び率で、既存店ベースでも7.0%増と堅調な推移を続けている。売上総利益率は0.5ポイント増加し58.1%まで高まった。販売管理費率は0.4ポイント減少した。利益面では、EBITDA(利払い前 税引前 減価償却前 利益)が21.8%増と好調な推移だった。EBIT(利払い前 税引前利益)も24.7%増と増益を達成した。
今年9月には、「ZARA」において、オンラインビジネスを台湾および香港・マカオでスタートした。実店舗とオンラインビジネスを合わせた売り上げは、8月1日から9月10日までの推移が、現地通貨ベースで16.0%増と好調である。
期末の連結ベースの店舗数は、88の市場で6,777店を展開している。業態別の売上高は主力の「ZARA」(ザラ)が61億4,000万ユーロ(8,289億円、同)、17.9%増と2ケタ増だった(表2参照)。「Bershka」(ベルシュカ)は同8億3,900万ユーロ(1,132億6,500万円、同)、15.1%増、「Stradivarius」(ストラディバリウス)は同5億9,500万ユーロ(803億2,500万円、同)、16.9%増、「ZARA Home」(ザラ ホーム)は2億9,300万ユーロ(395億5,500万円、同)、22.0%増だった。
地域別では、欧州・元スペイン(Europe ex-Spain)が42.7%(2.9ポイント減)と比率はやや減少したが、引き続き主力ディビジョンだ。アジアその他地域(Asia & RoW)が25.2%(3.5ポイント増)と増加。スペインが17.4%(1.9ポイント減)とやや減少した。米州(Americas)は14.7%(1.3ポイント増)とやや増加した。
財務面では効率性が改善
財務面では効率性が改善している。当期利益が12.4%と2ケタの比率。資産合計税引前利益率(ROA)および株主資本当期利益率(ROE)も高い数値である。商品回転率は3.9倍とそれほど高くはないが、売上総利益率が58.1%とかなり高い数値であると同時に、販管費率が37.2%と低く抑えられている。有利子負債も計上されていないし、財務状況は健全であると考えられる。
期中の出店店舗数は、「ZARA」が24増の1,947店、「Bershka」は4増の1,010店、「Stradivarius」は9増の919店、「ZARA Home」は25増の462店。8月からの下半期も堅調なスタートを切っている。
(樋口尚平)