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ファッションビルの「京都BAL」
建て替え工事終え、グランドオープン
ブランドの世界観発信に重点置く

update: 2015/08/24

建て替えグランドオープンした 「京都BAL」

建て替えグランドオープンした
「京都BAL」

中澤株式会社(京都)が管理・運営する京都の老舗ファッションビル「京都BAL」(京都市中京区)が8月21日、2年7カ月にわたる建て替え工事を終え、グランドオープンした。総売り場面積は3,650坪(約1万2,000㎡)に拡大し、広々とした“L”字型のフロアレイアウトに生まれ変わった。ブランドの世界観を発信できるショップ作りを重視したため、1店舗当たりのスペースが格段に広くなっている点が特徴だ。

33店を厳選、個性発揮を最優先

国内外最大規模で展開する 「ロンハーマン」

国内外最大規模で展開する
「ロンハーマン」

「京都BAL」は1970年11月に開業した京都の老舗ファッションビルで、当初はデザイナーズブランドを集積していた。神戸・三宮にも店舗を構えている。京都BALは2013年1月末の一時閉店後、建て替え工事に取り掛かっていた。競合他社が増える中、「上質なショッピング体験」を提供することを目的に、出店テナントも33店に絞り込んだ。1店舗当たりのスペースを十分に取り、ブランドの世界観を構築することが狙いだった。

3階の「エストネーション」

3階の「エストネーション」


新生「京都BAL」は地下2階、地上6階の8層構造。延べ床面積は1万8,561㎡で、敷地面積は約2,769㎡と従来の約2倍に拡大した。出店テナントの売り場面積は最大486坪で、20坪を超える中型店舗も少なくない。中澤の山本健太 開発室マネージャーは、「テナントの考える表現方法を提案できればと考えた。従来型の売り場作りであれば100店を誘致できるスペースはあるが、あえて33店に絞り込んだ。各ブランドの世界観を作り上げてほしかった」とフロア構成の経緯を説明する。

目玉テナントの1つ、「Ron Herman/RH CAFE」(ロンハーマン/アールエイチ カフェ)は6階フロア全てを使って展開する。売り場面積は456坪で、国内外において最大規模の店舗だ。「無印良品」も5階フロア全てを使い486坪の規模で出店する。4階には飲食業態の「Café&Meal MUJI」も展開する。

2階の「トゥモローランド」

2階の「トゥモローランド」


そのほかの大型テナントを列挙すると、4階の「THE CONRAN SHOP」(ザ・コンランショップ)が229坪、3階の「ESTNATION」(エストネーション)が212坪、同階の「Theory」(セオリー)が77坪、2階の「TOMORROWLAND」(トゥモローランド)が300坪、同階の「AMERICAN RAG CIE」(アメリカンラグ シー)が109坪、1階の「DRESSTERIOR」(ドレステリア)が75坪といった具合だ。地下の2層で展開する書店「MARUZEN」(丸善)はトータルで982坪の規模である。

事前にヒアリングを実施

3階の「セオリー」

3階の「セオリー」

建て替え工事に先立ち、出店候補のテナントに「ブランド表現に必要なスペースをヒアリングした」(中澤、山本 マネージャー)という。その結果が、広いスペースを使ったテナントの集積というフロア構成だった。「各テナントの個性や表現力を発揮できれば、きちんと売り上げを確保していけると考えた。新しい経営の価値観を作っていくことにこだわった」(同)。

4階の「ザ・コンランショップ」

4階の「ザ・コンランショップ」


テナントのセレクト基準は、発信力のあること。高感度から日常使いまで、またアパレルから雑貨まで幅広い商材が集まっているが、共通している点は“発信力”だ。既存顧客だった60-70代をはじめ、その子供や孫の世代まで、幅広い客層を想定している。「(通路などの)共有部分で統一感を演出できている。丸善の支持も多いし、従来の顧客から新規の方まで、親子3代で楽しんでもらいたい」(山本 マネージャー)。

初年度の売上目標は70億円と手堅い設定。「ロンハーマン」や「無印良品」「丸善」など、カフェ併設型のテナントも少なくないし、時間消費型の館になると想定しているようだ。京都BALの新しい挑戦が始まった。

(樋口尚平)

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