大阪・梅田の「ルクア大阪」が大規模改装オープン
20代前半の女性向けテナントを充実
update: 2014/09/03
JR西日本SC開発(大阪市北区梅田)が管理・運営する大阪・梅田のファッションビル「ルクア大阪」が8月28日、リニューアルオープンした。開業以来最大規模の総数58テナントを新規導入または移転・改装した。コアターゲットの25-30歳の女性に加え、20代前半の女性を対象にしたテナントを充実した。
顧客層の幅を広げ、MDをブラッシュアップ
今回の改装で導入した新店舗は44店、移転・改装した店舗が14店。新店44のうち、全国初が7店、西日本初が17店、関西初が3店、梅田初が8店舗ある。改装は全フロアにわたって、まんべんなく実施された。既存の主要顧客である25-30歳女性に加え、その下の世代── 20代前半の女性を新たに取り込むべく、MD(マーチャンダイジング)の強化が図られた。
ルクア大阪は2011年春の開業時から、1つのショップでメンズとレディスを扱うあるいは同ブランドのメンズとレディスのショップを隣接させて、カップル客を取り込もうとしてきた。今回の改装はレディス強化がメーンだが、メンズ客を意識したテナントも何店舗か導入されている。
また今回の改装は、開業から3年が経過し、定期借地契約(定借)が満了したタイミングであったことも実施理由の1つ。こうした定借を活用したまとまった改装を計画するファッション関連施設も増えている。
アパレルから雑貨まで幅広く
新規店舗の中から、いくつか注目テナントを紹介する。まず、3階フロアに新規出店した全国初出店の「ロデスコ アーバンリサーチ」。バッグ・ファッション雑貨で構成する女性向けのショップで、売り場面積は33㎡とコンパクトだ。ルクア大阪内にアパレルと雑貨を組み合わせたライフスタイル型店舗「アーバンリサーチ ストア」を展開するが、それとは一線を画した編集内容だ。ターゲット層は20代後半から30代前半の働く女性や主婦層。フェークレザーを使った靴やバッグを揃えている。実はすでに「ZOZO TOWN」と自社のECサイトで販売している商材だが、“ショールーミング化”を狙い、リアル店舗を作った。
フェークレザー=合皮を採用した理由は、使い勝手がいいため。雨に濡れた時、あるいは小さい子供が飲み物をこぼした時など、イージーケアを重視した。また上代価格も比較的安く抑えることができる。合皮の品質も向上していると言い、このショップに置く商品の95%がフェークレザー製だという。
2階フロア── ルクア大阪の建物から少し離れた外にあるスペースにオープンした「221RESTIR」(221リステア)。以前は「ルシェルブルー」だったが、新コンセプトショップとして生まれ変わった。店舗面積は約264㎡。レディスとメンズのほか、雑貨やコスメなどで構成する。
コンセプトは「ユースカルチャー」。次世代顧客に該当する若い世代からファッション感度の高い大人まで、ターゲット設定は幅広い。店内はレディス、メンズ、雑貨関連に大別される。レディスはリブランディングした「ルシェルブルー」ブランドで構成。メンズは今秋デビューの新ブランド「アメリ」を展開する。ショップ中央付近にはアート関連の雑貨、コスメ関連の雑貨をラインナップする。
内装は白をベースにまとめた。展開するアイテムは、国内外を問わず新進気鋭のデザイナーを中心に集めていく。メード・イン・ジャパンの良さをアピールする目的もあるという。
1階フロアに全国初出店した「フクスケ」。パンストなどインナーのブランドだが、OLの利用が多い立地を考慮し、デーリーユースの商材を中心に売り場を構成した。店舗面積は約24㎡。3足1,000円という日常使いのものから、プレーンのパンスト、柄物パンスト、パーティー用アイテムまで、幅広く揃えている。
興味深い試みは、同フロアにある「BISES OPAQUE」(ビシェス オペーク)とのコラボ企画。パンストのほか、オペークのアパレルも店頭に飾り、相乗効果を狙っている。上代価格はやや高めだが、30-40代前の女性の利用が多いという。
(樋口尚平)