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チュチュアンナ 代表取締役社長 上田利昭氏
ブランディング活動に力を入れる
海外事業も引き続き拡大

update: 2013/09/02

株式会社チュチュアンナ 代表取締役社長 上田 利昭 氏

株式会社チュチュアンナ
代表取締役社長 上田 利昭 氏

レディスの靴下を中心にインナーなどを展開するチュチュアンナ(大阪市)。2013年7月期(35期)も連結売上高225億300万円、前年比109%(営業利益は非公表)と10期連続で増収を達成した。主力の靴下のほか、新規商材のインナー類が伸びたことも売り上げに貢献した。海外展開は中国事業が3年目にしてようやく収支が均衡するまでに改善されてきた。また今期はブランド発信にも力を入れようとしている。今後の見通しや強化ポイントを上田社長に聞いた。

国内外ともに増収を達成

2013年7月期(35期)は連結売上高225億300万円、前年比109%(営業利益は非公表)と10期連続で増収を達成したが、特別な事はやっていないという。「社員が本来やるべき日々の業務、商品作りや店作りを地道に行ってきたことが増収の一番の要因ではないでしょうか」と上田社長は説明する。品目別では、靴下が146億5,200万円(109%)、インナーウェアが78億5,100万円(109%)だった。

国内売り上げは215億1,600万円(107%)と堅調、中国は10億1,200万円(208%)と倍増した(国内売上高は連結前の速報値)。既存店ベースでも国内が105%、中国が111%と好調を維持している。

「国内ではタトゥータイツや柄パン、カラータイツなどが貢献しました。また、無地のパンストも伸びています。パンストは靴下とブラジャーなどインナーをつなぐ商材として最適だと考え、5年くらい前から始めました。若い女性の間で無地のパンストを穿くトレンドが後押ししているようです」

「海外の中国事業はようやく3年で収支が均衡するところまで漕ぎ着けました。店舗数は29増えて43店舗に拡大しました。日本人5人くらいの体制で現地のスタッフと協力して運営し、マーチャンダイジングは上海本部で構築しています。広州や香港、深圳、福建以外の地域にはほぼ出店しています。上海や北京の店舗が年間8,000万円台と一番よく売れます。しかし日本人と体形が異なる中国人に対し商品企画を変えないといけないし、また国土が広いため、必要な時に商品が届かないなど配送面の課題もあります」

インナーの新ライン「エレガントライン」が貢献

一方、国内も堅調だ。店舗数は4増の205店(11増、7減)に増加した。けん引役の1つが11年10月にスタートした「エレガントライン」。2,800円、3,800円の商品群で、展開店舗数は現在、175店まで拡大した。売上規模は7億5,000万円(前年比2.9倍)と急速に伸びている。

「2010-2011年にかけて、徐々に既存店の改装を通じて“ニュー・チュチュアンナ”を発信してきました。以前は大人の女性が入りにくい店構えだったのですが、インナーのコーナーを改装し、店舗全体のグレードアップを図りました。『エレガントライン』の展開と相まって、若い女性が主体だった顧客層に大人の女性も来店されるようになってきました」

改装後の店舗は平均して115%の推移と好調だ。中でも「エレガントライン」が良く動いているという。フィッティングルームなど試着できる環境、サービス面を改善した点が功を奏したようだ。今期も東京・渋谷、大阪・梅田や戎橋の店舗を改装する計画だ。

「しかしまだ情報の集め方、商品企画、サービスの内容など、改善・反省すべき点がまだまだあります」

今期はさらに知名度向上を図る

ブランドキャラクターに就任した小島藤子

ブランドキャラクターに就任した小島藤子

今期の目標には、ブランディング活動、インナーの強化、業態開発、海外事業の拡大の4点を掲げる。1つ目のブランディング活動は「チュチュアンナ」ブランドの更なる認知度アップが主な目的だ。現状45%の知名度を60%まで高める。ブランドキャラクターに小島藤子を起用し、同ブランドのコンセプトと一致する「カワイイ」をキーワードに世界観を発信する。自社のウェブサイトも全面リニューアル。TVCMも放映予定だ。

2つ目のインナーの強化は中心が「エレガントライン」。「企画も軌道に乗ってきた」(上田社長)そうで、さらに売上規模、シェアの拡大を目指す。3つ目は業態開発だ。

「前期から力を入れてきたが、特にミセス業態の確立に力を入れたい。ミセス層が良く訪れる店舗が40店ほどあり、売り上げが落ちていました。それに適した商材――綿100%や口ゴムの緩い商品などを集めたところ、既存店ベースの105%を超える店舗がいくつか出来ました。今後は60店くらいに広げたいと考えています」

4つ目は海外事業の拡大。中国市場では今期35店を出店する。大体年間40店規模の出店を続け、3年後には120店まで増やす計画だ。

「直営店と代理商の2つの形態で出店を進めます。売り上げが増え、収支が均衡したとは言え、物流や店頭ビジュアル、接客レベルなど改善すべき点はまだまだあります。サイズ対応や現地で支持されるデザインの選定なども必要ですし。早く中国(市場)の信用を確保したいと考えています。中国以外の韓国や台湾、香港も今後、市場調査に入ります」

■ 略歴  上田利昭(うえだ・としあき)氏 1945年、和歌山県生まれ。68年、株式会社ニチイ(現イオングループ)に入社。同社で5年半、靴下を担当。73年、独立し靴下卸業「有文商店」を始める。79年、株式会社チュチュアンナを設立、代表取締役に就任。2006年、営業事業本部長を兼務。現在に至る。

(樋口 尚平)

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