MENU
TOP > 業界ニュース > 三陽商会、2018年12月期 第2四半期 連結決算 機会損失の影響で減収、営業損失を計上

三陽商会、2018年12月期 第2四半期 連結決算
機会損失の影響で減収、営業損失を計上

update: 2018/08/07

《財務分析レポート》

三陽商会、2018年12月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

三陽商会、2018年12月期
第2四半期 財務数値一覧(表1)

三陽商会の2018年12月期第2四半期(1-6月)の連結決算は、ブランドの撤退やマークダウンの商材不足などが影響し、減収に至った。プロパー時期の販売比率が改善したため、売上高総利益率(粗利率)が大幅に改善した。しかし、販管費が粗利を上回ったため、営業損失を計上するに至った。

プロパー品の販売比率が増加、粗利率も改善

三陽商会、2018年12月期 第2四半期 販路別売上高(表2)

三陽商会、2018年12月期
第2四半期 販路別売上高(表2)

連結の売上高は292億円(8.2%減)。プロパー品の販売比率が増加し、粗利率が48.9%(4.2ポイント増)と改善した。懸案だった棚卸資産(在庫)の削減が進んだが、その半面、マークダウン(セール)時期の商材不足が影響し、減収に至ったようだ。売り上げにつながる販促費を必要以上に抑制した影響もあったと分析する。販管費は前年同期より削減できているが、売上額が減っている影響で、売上比率は上昇している(表1を参照)。なお四半期利益は、固定資産売却益40億円の特別利益の計上によるもの。

上半期の「紳士服」の店頭ベースの実績は、対前年同期比10%減。「婦人服」は同11%減だった(個別の数値)。既存店ベースでは、同7%減だった。一方、「EC販売」は同1%減とほぼ前年並みの推移だった。

連結の販路別売上高は、主力の「百貨店」が190億円(8.8%減)と減収したが、ほぼ計画通りの推移だった。「FB・路面店」は33億円(10.6%減)と2ケタの減収。当初の計画より出店数が少なかった影響が出た。下期は出店の拡大を計画している。「アウトレット」が16億円(9.3%増)だった。計画通りの推移で、通期では5%増を目指す(表2を参照)。

トップラインの改善に力を入れる

売り場数(ドア数)は、通期(2018年12月期)で1,040を計画する。第2四半期末時点で1,034だったので、増加に転じる見通しだ。昨年6月末で1,203、前期(2017年12月期)末時点では1,082とスクラップが進んでいた。下期は、中期計画で強化ポイントにも掲げている直営店の出店を強化する。今秋をめどに、「MP STORE」や「LOVELESS」などの出店を計画している。

当面は、優先課題のトップライン=売上高の改善に力を入れる。既存の主力ブランドの充実に加え、前述した直営店、ECビジネスを強化する計画だ。また、現状の売上規模でも黒字化が可能な利益体質への転換も視野に入れている。

通期では、売上高605億円(3.3%減)、営業損失16億円、経常損失15億円の見通しだ。前売りは苦戦しているが、財務体質は安定している。手元流動性資金も潤沢で、同比率は4.6カ月ある。D/Eレシオも0.1倍と低い数値だ。前述の通り、トップラインの回復が喫緊の課題と言えるだろう。

(樋口尚平)

ドミンゴ シキボウ 株式会社デサント ビッグジョン ゴールドウイン シマセイキ ペガサス かまだプリント株式会社 豊和株式会社 ミズノ株式会社 ダンス ウィズ ドラゴン