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店頭レポート
「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ
創業の地、大阪・枚方に「枚方T-SITE」をオープン
“地域密着型”の新しい商業施設を目指す

update: 2016/05/16

地域密着型の複合商業施設 「枚方T−SITE」

地域密着型の複合商業施設
「枚方T−SITE」

「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)が5月16日、創業の地である大阪・枚方に「枚方T-SITE」をオープンした。“地域密着型”の新しい商業施設に位置付ける。2011年開業の代官山、2014年の湘南に次いで3施設目で、面積は5,314坪と最大規模だ。

増田社長「モノより“関係性消費”を重視」

「枚方T−SITE」の2階フロア「TSUTAYA」

「枚方T−SITE」の2階フロア「TSUTAYA」

書籍やCD、DVDなどのレンタルショップ「TSUTAYA」をCCCが2011年から、新しいライフスタイル提案の施設として開発を進めてきた「T-SITE」。近鉄百貨店の跡地に3施設目をオープンした。総面積は5,314坪で、小振りの百貨店並みの規模がある。“日常に寄り添い生活を彩る、生活提案型デパートメント”というコンセプトを掲げている。

「蔦屋書店」を核テナントにし、食や雑貨など様々なショップで構成する同施設は、CCCの今後の新しい方向性が盛り込まれている。内覧会の会見で、CCCの増田宗昭 代表取締役社長兼CEOは、「現在、社内で3つの仕事以外は止めようというコンセンサスを作りつつある。①企画会社としてプラットフォームを作りお客さんに喜んでもらう、②データベースを活用し、プラットフォームを楽しんでもらう、③モノと提案するコンテンツを開発する会社になる、という3つの仕事をやる」会社になるという方向性だ。

寛げるスペースも十分、確保している

寛げるスペースも十分、確保している

「Tカード」などで集めた顧客の膨大な“ビッグデータ”を活用する手法は同社の得意とするところ。また、過剰供給でモノ余りの中、付加価値を伴った商品を売るというマーケティングの王道を模索してきた面もある。それがコトと場の融合であり、「T-SITE」や「蔦屋家電」がその提案の一形態と言えるだろう。そのことは、増田社長の「モノより“関係性消費”を重視」するという言葉に集約されている。

ここで言うプラットフォームとは、「TSUTAYA」「Tカード」「T-SITE」の事を指す。同施設から試験運用が始まったオリジナルのスマートフォン「TONE」も、こうした顧客の利便性やサービスの向上、顧客の囲い込みに一役買っている。「TONE」では商品の注文や決済、周辺駐車場の空き状況、レストランの予約をすることができる。

立地特性を鑑み、日常性に軸足

CCC、増田宗昭社長

CCC、増田宗昭社長

ネットビジネス全盛の昨今、リアル店舗に必要な4つの要素があると増田社長は指摘する。「居心地のいい場所(店舗)=家を作ることと、コンシェルジュサービスをベースに、①SPA化、②生活提案、③個店経営(FC、分権経営)、④データベース・マーケティング」が必要だと説明する。

最も重要な項目が④のデータベース・マーケティングで、顧客の嗜好を探ることだ。①のSPA化は「TONE」のように、自分達で作った商品を自分達で売っていくことである。②生活提案と③個店経営も①と④に連動している。

今回の「枚方T-SITE」でも、前述のポイントを重視した。立地特性を鑑み、商圏は半径2km圏内に絞り込んだ。ターゲット層は親(母)子、働く人、プレミア層(お年寄り)。地元住民のニーズを考慮し、飲食や銀行などを導入して日常性に軸足を置いた。銀行は個人資産を多く持つプレミア層を意識している。

とかく“金太郎飴”になりがちな商業施設。「枚方T-SITE」が現在の商業施設の在り方に一石を投じることになるだろうか。今後の推移が興味深い。                                  

(樋口尚平)

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