オンワード樫山、ECブランド「uncrave」POP UP STOREを展開
オンラインとオフラインの融合を進める
update: 2020/06/12
オンワード樫山が今春から立ち上げたEC限定ブランド「uncrave」(アンクレイヴ)が、東西の有力百貨店においてPOP UP STOREを展開している。オンラインとオフラインとの融合を進める取り組みの一環で、OMO(Online Merges with Offline)の一例と言えるだろう。
ECとリアルの連動を重視
「uncrave」は今春──2月21日から本格的に立ち上がったEC限定のレディスブランド。ターゲット層は30-40代の大人の女性だが、ことさら「年齢層は意識していない」(オンワード樫山レディスカンパニー新規事業開発Div.商品Sec.、小柳津佑馬 マーチャンダイザー)という。ブランド名の由来は、「切望する」という意味の単語“crave”に「否定」の意味の接頭語“un”を付けたもので、“むやみに欲しがらない”大人が「これさえあればいいと思える服」をコンセプトにする。
同ブランドは、ファッションエディター(編集者)の東原妙子氏がディレクターを務める。商品はジャケットやパンツ、ワンピースなどベーシックが基本だが、見せ筋の商材を置いて売れ筋を消化するという形態ではなく、「リアルクローズ」を追求している。具体的な着用シーンは特に想定していない。「おしゃれもしたいが、時間もお金も限られている中、(幅広いシーンで着られる)広い概念のウエアを提案する」(小柳津マーチャンダイザー)狙いがあるため、特定のテイストで括っていない。
展開アイテムの中心はセットアップや、ワンピースなどの1枚もの。同じ素材で異なるアイテムを企画しているほか、同系色のいわゆる“トーンオントーン”のコーディネートも提案する。
主要な販路はもちろん自社のECサイトだが、今回のポップアップのような「リアル(店舗)との連動はすごく意識している」(小柳津マーチャンダイザー)。「今まではネット発のブランドがリアルでも発信するというケースが多かった。このブランドでは、エンドユーザーが自分のタイミングで、買いたい時に買いたい場所で買ってもらえるよう意識している」(同)。
今回のポップアップショップは、東は伊勢丹新宿本店2階、西は阪急うめだ本店4階でそれぞれ6月16日まで出店する計画だ。秋冬シーズンもポップアップの展開を予定している。
「オンワード・クローゼット」: https://crosset.onward.co.jp/shop/uncrave/
(樋口尚平)