複合商業施設「リンクスウメダ」
大阪・梅田にグランドオープン
update: 2019/11/18
《店頭レポート》
ヨドバシホールディングスが手掛けた商業施設「リンクスウメダ」(大阪市北区大深町)が11月16日、JR大阪駅に隣接する区画にグランドオープンした。既存の「ヨドバシカメラ梅田」と複数階で連絡しており、実質的に増床した形だ。総売り場面積は約9万平方メートルに拡大し、梅田地区でも最大級の施設になった。
幅広い商材で、広範な客層を呼び込む
「リンクスウメダ」を開発した狙いは、顧客ニーズを満たすためで、様々な分野のテナントで構成する。梅田地区というターミナル立地のため、幅広い客層が対象だが、特にファミリー層とインバウンド客の取り込みを強化した。主に5階フロアにおいて、キッズ・ベビー関連のテナントを集積し、ゲームなどアミューズメント施設も導入して、ファミリー層の来館を促す。インバウンド客へは、上層階のホテルで対応。京阪神の観光の拠点にしてもらえるようアピールする。インバウンドの売上比率は、既存売り場で約10%。「リンクスウメダ」の開業により、その比率をさらに高める方針だ。
主なアパレル関連テナントは、「ユニクロ」「アーバンリサーチ サニーレーベル」「エドウイン」「ジーンズメイト」「グローバルワーク」「ウンナナクール」「インティミッシミ」「アースミュージック&エコロジー」「アズールバイマウジー」など。ショッピングモールでよく見かけるテナントが多い。
特徴的な面は、スポーツ関連テナントが充実していることだ。今春、傘下に収めた石井スポーツのショップ「Mt.石井スポーツ」を3,960㎡の規模で展開するほか、同じく同グループの「アートスポーツ」のショップも導入している。そのほか、アシックスがライフスタイル商材で構成する新業態「アシックス大阪リンクス ウメダ」を出店しているほか、スポーツサングラスの山本光学が「スワンズ」の直営店を展開する。
年間の売上高目標は「ヨドバシカメラ梅田」と「リンクスウメダ」を併せて1,700億円。年間の来館者数は7,700万人を見込んでいる。今後は仙台と札幌で、同様の複合商業施設の開発計画がある。家電が主力商材の同社だがファッションやスポーツ、飲食といった幅広い品揃えを提案し、新しい商業施設の在り方を模索している。
供給過剰が指摘されて久しい梅田商圏。「リンクスウメダ」のテナントを見渡してみると、すでに同商圏に店舗を構える業態が散見される。「ユニクロ」は「ルクア イーレ」の地階に「ジーユー」との複合店舗を構えており、今回の出店でさらに梅田での売り場面積が拡大する。施設ごとでいかに住み分けを図るかが、今後ますます重要になりそうだ。
(樋口尚平)