三井不動産「ららぽーと和泉」が大阪府下に初出店
“子育てママ”目線の売り場編集が特徴
update: 2014/10/31
三井不動産が展開するリージョナル型商業施設「ららぽーと」が10月30日、大阪府和泉市に開業した。大阪府下では初出店。子育てママの目線で売り場やテナントを構成した点が特徴だ。
年間売上高280億円を目指す
「ららぽーと和泉」は新興住宅街の一角に位置する。ニューファミリー層が増えている地域で、売り場のコンセプトもそうした“子育てママ”を意識した編集。最寄駅は南海電鉄泉北高速鉄道の「和泉中央」駅だが、やや距離があり、アクセスには車が必要だ。
主要な商圏は半径15km圏内で、車で30分の距離、約123万人を対象にする。30-40代のニューファミリー層が主なターゲットで、特に母親とその子供が利用しやすい施設やテナントを誘致した。
「ららぽーと」としては12カ所目。関西では兵庫県西宮市の「ららぽーと甲子園」(2004年11月開業)に次いで2施設目だ。店舗面積は約5万6,500㎡で、店舗数は218。約3,400台の駐車スペースを持つ。1階・5階・屋上が駐車スペース、商業ゾーンは2-4階で展開する。年間売上高は大体280億円前後の規模感を想定している。来館者数は設定していない。
廉価でカジュアルなテナントを集積
売り場は“サーキットモール”型で、館中央に配した吹き抜けを囲むようにテナントが配置されている。大型店舗は両端に位置し、回遊性を考慮したレイアウトだ。売り場のコンセプトは「エリア オアシス」。同社内の子育てママ社員の意見を取り入れ、新しい「ららぽーと」の売り場編集を考案した。
構成テナントはカジュアル系ファッション、雑貨、子供関連商材、飲食、アミューズメントなど。日本初が4店、近畿初が5店、大阪初が20店あり、新業態も12店展開する。全体に廉価でカジュアルな商材を重点的にラインナップしており、子育てママを意識したMD(マーチャンダイジング)に仕上がっている。
アパレル系の主なテナントは「アカチャンホンポ」「OLD NAVY」「無印良品」「H&M」「ZARA」「ユニクロ」「GU」など。「ZARA HOME」や「ストラディバリウス」など、まだ展開店舗数の少ない業態も出店している。
「出店の余地はまだある」
三井不動産の常務執行役員で商業施設事業・ロジスティクス事業を所管する石神裕之 商業施設本部長は、「週末は広域から集客し、平日は地元のママのお一人来館を期待している。お子様の幼稚園の送り迎えの合間に利用していただければ」と語る。また、「ソフト面では、当社のママ社員の意見を基に、『ららぽーと和泉』で進化した面をお見せできるだろう」と強みを説明した。
同社は今後、来年1年間で新たに4カ所の商業施設を開業する計画がある。3カ所が関東圏で、「ららぽーと」業態による出店。1カ所は大阪の「エキスポランド」跡地(大阪府吹田市)で、こちらは詳細がまだ決定していない。
「ららぽーと」の出店条件は、「都心に隣接した場所準郊外型立地を考えている」(石神本部長)。「まだ開発・出店できる余地はある」(同)と語った。
(樋口尚平)