あべのハルカス近鉄本店4階レディスファッションフロア
自主編集売り場「Salon de GATE」をオープン
update: 2022/03/17
近鉄百貨店が3月16日、あべのハルカス近鉄本店4階のレディスファッションフロアに、自主編集売り場「Salon de GATE」(サロンドゲート)をオープンした。アパレル強化の一環で今春以降、複数回にわたり実施する改装計画の第一弾だ。苦戦するアパレルビジネスを強化すると同時に、20-30代を中心とした次世代顧客に該当するミレニアル世代を取り込んで、若返りを図る狙いもある。
アパレル強化の一環で、第一弾の改装を実施
今回の改装計画は、昨年5月28日に発足した「ファッションプロジェクト推進部」が先導した。コロナ禍の影響もあり、主力商材の1つである3-5階フロアのレディスアパレルが苦戦を強いられていた。次世代顧客に該当するミレニアル世代を取り込むことも念頭に置き、アパレルを軸に幅広い商材で構成する自主編集売り場「Salon de GATE」を開発するに至った。
取り込もうとしている顧客層は、ミレニアル世代と共に、「30-40代のオン・オフを明確に切り替えられる女性」。いわゆる“ライフスタイル”の切り口で、共通の感度を持った幅広い商材――アパレル、生活雑貨、アクセサリー、食品などをセレクトした。新規の約30ブランドを含む、およそ50ブランドで売り場を編集・構成する。
「Salon de GATE」の売り場面積は約215㎡。エスカレーター横の好環境で、4階フロアの玄関口として来客数を増やす狙いがある。周囲のテナントはコーナー展開するナショナルブランドのショップがメーン。「クードシャンス」「イネド」「MKミッシェルクラン」「ランバンオンブルー」「マッキントッシュフィロソフィー」など、キャリア層を対象にしたテナントが軒を並べている。
カフェを併設、幅広い商材で“ライフスタイル”を提案
アパレル系の新規ブランドは、「MUVEIL」(ミュベール)、「SACRA」(サクラ)、「LOKITHO」(ロキト)、DtoCブランドの「MECRE」(メクル)など。“モード系”のテイストを軸に、国内外の商材をセレクトしている。また、石鹸やアクセサリー、生活雑貨においても、個性派のブランドを集積した。グラノーラ専門店「Bake&Beans」(ベイク&ビーンズ)や、「Café no.」(カフェナンバー)など、食品系の商材、テナントも導入した。「Café no.」は、百貨店では全国初の常設店だ。
ファッションプロジェクト推進部の渡辺克代 部長はアパレル商材について、「人件費もかかるが、収益性なども考慮して再度、強化を図り興味を持ってもらおうと考えた」と説明。30-40代女性が関心を寄せる幅広い商材を集積し、フロア全体の集客力や回遊性の向上を目指す。「2階フロアは化粧品、3階フロアはセレクトショップを目当てに20-30代の若い顧客が利用している。その次世代顧客を4階フロアへも導きたい」(渡辺 部長)と考えている。
編集の基準は、「このエリアに足りていない商材をセレクトした。感度が“尖り過ぎず”、日常使いできるものを選んだ」(同部、田持瑞季 係長)という。コロナ禍による物流の停滞もあり、一部インポート商材の入荷が遅れている。バッグやシューズなどのインポート品も追加していく計画だ。
今後は、今秋に4階の一部を改装するほか、ウイング館の5階には「ナチュラル」をテーマにした新しい売り場を設ける予定だ。来春にはタワー館5階のレディスフロアも改装する。
(樋口尚平)