阪急三番街、アパレル系ショップが好調
update: 2019/07/30
《店頭レポート》
大阪・梅田の商業施設、阪急三番街のアパレル系ショップが好調だ。災害が相次ぎ、閉館も多かった昨年は99%の推移で、今期は105%と健闘を見せている。主力テナントのSNS強化策も奏功し、顧客の取り込みに成功している。
今期は105%の推移
阪急三番街は、大阪・梅田の一等地に売り場を構える。JR大阪駅と阪急電鉄の中間付近に位置する地上2階、地下2階構造の商業施設だ。昨春リニューアルしたフードコートが好調で、集客力も向上している。
アパレル関連テナントが集積しているのは、南館地下1階フロア。北館1階などにも数店がショップを構えるが、最も規模が大きいのは南館の地下1階である。「働く女性」をメーンターゲットにしている区画で、レディスショップが主体だ。
2018年度のアパレル部門の業績は前年比99%で、ほぼ前年並みだった。地震や台風で閉館日数が増えたこと、猛暑など天候不順の影響が大きかったことを考えれば、健闘した1年だった。今期は第1四半期時点で105%と好調な推移である。7月初旬からスタートしたセールも114%と好調だ。
プロパー品の消化も進む
好調なテナントは「ナチュラルビューティーベーシック」を筆頭に、「ノーリーズソフィー」や「ナチュラルビューティーベーシック」「ルージュ・ヴィフ ラクレ」などレディスショップがメーン。メンズも取り扱う「ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシング」も健闘している。同ショップでは、メンズの売り上げも伸びているようだ。SNSを活用した集客策も功を奏している。
プロパー品の販売を強化する施策もプラスに働いている。以前のようにバーゲンの売り上げが爆発することはないというが、その代わりにプロパー品の消化率が高まっている。客単価も増加傾向だ。意識的にプロパー品の販売を強化してきたことが、アパレル部門の好調を下支えしているようだ。端境期に差し掛かり、今後は晩夏商材をいかに消化できるかが課題である。
一方、数は少ないがメンズ系ショップの充実も進める。既存の「麻布テーラー」が好調なほか、新たに導入したオーダースーツの「ファブリックトウキョウ」も支持を集めている。
(樋口尚平)